人間力は前世の言い換えに過ぎない。

July 14th, 2008

久々に「オーラの泉」を見た。

小島よしおと美輪明宏さんとの絡みが興味あったからだ。
美輪さんは小島よしおの新ギャグの「パツキンピヤァ~」ってやられて大笑い/大喜びしてたな。これには僕も釣られ笑い下よ。

しかし、しばらく見ないうちに、この番組から、「生まれ変り」とか「前世」「来世」みたいな怪しげな話が一切なくなっていたのには驚いた。
BPO(放送倫理・番組向上機構)からの勧告(?)というのも大きいんだろうけど、世間の風向きが微妙に変ってきた事の反映ととらえるべきなのであろうか。

じゃあ、霊界的コンセプトの代わりに、美輪さんと江原さんがどういう概念を持ち出したかといえば、それは「人間力」だ。

小島よしおが、自分が一発屋ではないか?という不安を吐露したのだが、美輪さんは笑って、「アンタには人間力があるから大丈夫よ。」と応えていた。
小島よしおは、唐突なお褒めの言葉にキョトンとしていたな。

しかし、この世にはびこる「○×力」のたぐいの中で、人間力ほど、胡散臭い概念はないよね。
だって、これって、わかる人にはわかるけど、わからない人にはわからないでしょ。

結局は「前世」というコンセプトが、非科学的って言うんで、それを言い換えただけなんだよね。この概念。

人をどうやって褒めたらいいかわからない時にこそ、こういった概念が出てくるんだよ。

「君って人間力あるね」って言われたら、「貴方にもありますね」って言い返せるくらいの心の余裕が欲しいよね。

まさむね

プロレスの敵はナベツネだ!

July 13th, 2008

山本モナと巨人の二岡との不倫疑惑に関して、また、ナベツネ(読売新聞グループ渡辺会長)吠えたという。

「君らだってやってんだろ。同じようなもんじゃねえか」

いつもの事ながら、その乱暴な言動には笑わせられる。
独り言とコメントの区別つけないのかね。この人。
ある意味、名人芸だね。
恐らく、この人、元々は普通だったんだろうけど、周りの茶坊主連中の怯えとチヤホヤがこの芸風を徐々に成長させていったんだろうな。
別な意味で、かわいそうな人だ。

去年、小沢と福田との大連立の話になったとき、ナベツネは仕掛人だと言われたが、この暗躍をあの中曽根も評した。

「政治家を動かすということを主筆はやっていいんですよ。それが天下を動かすジャーナリストの力」

元総理をも茶坊主化させるナベツネの存在感は稀代のヒールとでも言うべきか。

さて、その他、ヒールと言えば、例えば、麻原や金正日は勿論の事、薬害エイズ問題の故・安部英(帝京大学副学長)、肉体派ヒールの亀田史郎(父)を思い浮かべる人も多いだろう。

90年後半以降のプロレス界の衰退の背景には、現実世界でのヒールの台頭があった。
プロレス界の真の敵はK-1ではない。ナベツネだ。

まさむね

「四つの嘘」と「アラフォー」

July 12th, 2008

テレビ朝日系ドラマ「四つの嘘」(木曜、午後9:00~)が今週から始まった。

原詩文(永作博美)は、高校時代の同級生の戸倉美波(羽田美智子)の恋人の河野圭史(仲村トオル)を奪って、結婚するが、娘出産後に離婚。
河野が海外で事故死したというニュースをきっかけに、同級生の西尾満希子(寺島しのぶ)、灰谷ネリ(高島礼子)と再会するが、さらに、その場に河野と同じ事故で美波も死んだというニュースが飛び込んでくる。

第1回目のあらすじはこんなところだが、今後、高校時代の同級生4人の日常生活、過去に潜むそれぞれの嘘があばかれつつ、それぞれの人生が展開していくという予告だ。

前クールの「Around 40~注文の多い女たち~」(以下「アラフォー」と略す)と近接したテーマを扱っているだけあって視聴者としては、「アラフォー」との対比で「四つの嘘」を見ていくというのも一興か。

40歳という、女性にとっては自分の人生の価値観(方向)を決める最後のターニングポイントで、女性達は、主に以下の価値観の間で揺れ動くようだ。
「仕事」「家庭」そして「男性」だ。
2つのドラマでは、この3つの典型的な価値観を以下のような女優達が体現している。

仕事に価値を求める女は、「アラフォー」では、天海祐希が、「四つの嘘」では、高島礼子が演じる。

双方ともこの歳になるまで独身。年下の男性との恋と仕事との間で揺れる。「仕事」という価値で突っ張りきれるのかがテーマだ。
ちなみに、二人とも医者であるが、天海が精神科医なのに、対して、高島は脳外科医だ。

とりあえず、家庭の主婦として収まっているのは、「アラフォー」では松下由樹、「四つの嘘」では寺島しのぶだ。
子育ても一段落しているが、退屈な日常への嫌悪感から、他の男性や仕事に憧れをいだく。

が、結局は家庭中心主義の枠から出られないのであろうか?

そして、最後に「男性」に頼って幸せを見つけようとするタイプ。「アラフォー」では、大塚寧々、「四つの嘘」では、永作博美である。
「アラフォー」での大塚の結婚は見事に失敗するが、「四つの嘘」での永作の若いボクサーとの恋はどうなるのか?
いずれにしても、自分の価値観とは微妙に違う「男性」との付き合いがこの年齢で可能かというテーマをかかえる。

「アラフォー」の演出がコミカルを基調としていたのに対して、「四つの嘘」はシビアで暗い。
出演者も微妙に映画系の女優を配しているのは、作品に奥行きを持たせようとしているのか。

視聴率はともかく、しばらくは見続けてみようかと思う。

さて、最後に苦言。4人の配役であるが、現在の4人と、高校時代の4人とのキャラ的結びつきが甘い。もっとちゃんと選べばいいのに。
また、若い男優陣が無名。のちに有名になった時に、「あの時のあの人か」って思い出す楽しみもあるんだけど。
予算不足(主要4人のギャラ使いすぎ)の感は否めない。

まさむね

普通の人のラブソング「純恋歌」

July 11th, 2008

2006年に大ヒットした「純恋歌」(湘南乃風)は普通の人々の普通のラブソングである。
現在でもカラオケランキングで上位に来ているが、今後もJ-POPのスタンダードとして聴かれ、歌われ続けていくだろう。

歌は、独特のレゲエ調のリズム/メロディに乗って物語風に進む。
出会ってから、好きになって、付き合って、喧嘩して、仲直りして、そして、一生「お前」と手を繋ぎ、一生「お前」のために愛を歌う...

ここには、夜空に輝く星のように女性をあがめるロマンティストとしての男がいる。
好きになった女を守りたいと思う善良な男がいる。
時には自分勝手に怒鳴りまくる自分勝手な男がいる。
でも、すぐに反省する単純で素直な男がいる。

そしてそんな男を許す女がいる。

これは、バブルだとか、不況だとか、格差社会だとかいった時代の流れとは無関係な普通の男と女の関係である。
ここには、いさぎよくも、普遍的な若者達の幸福観が正面から歌われているのである。

目立たないけど、社会の多数を占める地道で普通の人々の気持ちを正面から汲み取った「純恋歌」。
彼らが「純恋歌」で通ったラブソングの王道は、最近では、照れ臭すぎて誰も通らなかったド真ん中の「空き道」だったのではないか。

最後に「純恋歌」のプチ疑問。
歌詞の中に出てくる「春の夜風に打たれ、思い出に殴られ、傷重ねて気付かされた大事なもの握りしめ」の握りしめられた大事なもの ってナンだったんだろうか?

まさむね

美輪明宏が死刑賛成するのって意外!

July 10th, 2008

美輪明宏の携帯サイトの「麗人だより」の中に美輪さんの死刑に関するコメントが出ていて一瞬違和感を感じてしまった。

美輪さんって死刑存置主義、しかも執行に関しても積極的だったんですね。
このサイトでのコメントでは、死刑廃止論者(死刑執行反対論者)はエセヒューマニストだと決め付けているんだよね。

かつての美輪さんは、ヨイトマケの歌を歌ったり、寺山修司(青森のせむし男、毛皮のマリー)や三島由紀夫(黒蜥蜴)に出演して、社会から排除された人々、反道徳的な人々の側に立っている人かと思っていたのに。

その美輪さんが、いわゆる権力側の合法殺人を認めちゃうの?っていうのがその違和感の原因ですね。
(確か、美輪さんのパートナーの江原さんは死刑反対だったと思うんだけど…)

もっとも、死刑制度存続に関して言えば、例えば勝谷誠彦や三宅久之のようなタイプの評論家が賛成するのは非常にわかりやすいし、それはそれで納得出来る点も多い。
だけど、それはあくまで、彼らの芸風だから納得出来るんだよね。

さて、美輪さんに関してだけど、「オーラの泉」とかで見せる最近の独善的な道徳臭さに嫌な予感を感じる人は多いと思うんだけど、本人はどう思っているんだろうか。

ちなみに、以下はプチ突っ込みです。

美輪さん自身、自分は天草四郎の生まれ変わりと言っているけど、もしそうだとしたら、それは、その天草四郎が信じていたキリスト教の全否定となってしまう。
キリスト教には、輪廻転生(生まれ変わり)っていう概念は無いからね。
一方、もし、天草四郎の信心が正しければ、美輪さんの生まれ変わり説は勘違いということになるよね。

真実はどっちなんだろう?

まさむね

「そばにいるね」は格差社会を正当化する

July 9th, 2008

2008年の上半期オリコンランキングで「そばにいるね」(青山テルマ feat.SoulJa)が1位となった。
遠距離恋愛を扱ったこの歌に漂う、ゆるい男女の関係のあり方が広く支持された結果だと思う。

どんなに離れていようと心の中ではいつでも一緒にいるけど 寂しいんだよ…

最近のドラマ、映画の恋愛においては、遠距離が勝利するという説(宮台真司氏とか)がある。

例えば映画「恋空」ではそういった恋愛の現代性が典型的に表現されているという。
そして、おそらくこの「そばにいるね」もそういった遠距離勝利の流れにある。

もっとも、この楽曲は、NTTドコモのキャンペーンソングに採用されていた。
それを考え合わせれば、「遠距離恋愛は勝利する」あるいは「遠距離恋愛こそ純粋である」という感性は定額制、割引制加入促進を背後からささえる思想になっているっていうのも明白だよね。
CMで流される口当たりのいい一般論(価値観)が、対象となっている商品を正当化する思想になっているということはマーケティングの常道である。
例えば、「かけがえのない今を大事にしよう(買えるものはカードで)」という一般論が、「とりあえず、今、金を使え!!」というカード会社の本音の、「人生、何があるか分からない(だから愛する人のために)」という一般論が、保険会社の「だから契約しなさい」という誘導を、それぞれ背後からささえる思想になっているのである。

しかし、「そばにいるね」の思想は、携帯電話会社用の思想である以上に、格差社会固定化する思想である事も付け加えなければなるまい。
定額料金の携帯電話の電話越しでやさしい言葉をささやきあう事が「最強の純愛」であるとするならば、そこからはお互いの現状打破しようとするエネルギーは生れてこない。
わざわざお金(車代、デート代、宿泊代等)や時間をかけて、会いに行く必要がなくなってしまうからだ。

俺がもっと金持ちだったら もっとまともな仕事をしてたら…
もしもすべて犠牲にできたのなら 俺は絶対に君を…

上記は「そばにいるね」の相聞歌「ここにいるよ」の中の男から女への一節であるが、男はロマンチックな言葉はささやけるが、忙しさにかまけて半永久的に現状に安住し続けてしまうのだ。
この2人の関係は「心の豊かさ」として感じるか、それとも「下流恋愛思想」として見てしまうかで、この曲への評価は大きく変るだろう。

最後に、5月に大川栄策さんが「そばにいてね」という曲をリリースしています。
大変、まぎらわしいのでCD購入の際は、気をつけてね。

まさむね

「モンスターペアレント」とは誰だ?

July 8th, 2008

フジテレビ火曜日22:00からの「モンスターペアレント」が面白い。

大筋で言えば、米倉涼子扮するやり手の国際弁護士が、ある町の教育委員会の依頼を受け、学校に理不尽な要求を突き付ける保護者と対決するドラマである。

しかし、法律を駆使して、白黒つけるようなグローバリゼーションの世界の住人が、突然に、談合と協調を行動原理とする村落共同体(教育委員会と学校)に迷い込み、法律も協調性も無いモンスターペアレント達に向き合い、自分の手法で物事を解決しようとするが、うまくいかない(結局いつも頭を下げさせられる)のである。

モンスターペアレントの第一回目は木村佳乃、そして二回目が南野陽子。

はたから見ていると(ワイドショー的感覚で見ていると)、全く不条理な要求を突きつけて来るそれらの保護者に対して、法律という武器を封印された米倉涼子が二連敗。

二回目までを見る限り、強さから言えば、個人の論理>共同体の論理>法の論理の順とされてしまっているところに、妙なリアリティがある。

米倉のストレスの溜め方、あるいは、いつ反撃出来るのかという興味が、次回からの放映をさらに楽しみにさせるという演出は、毎回、視聴者に対して、ストレスを解消させる事を主目的として提供されている他のドラマに比べてユニークである。

しかし、話の主題はおそらく、毎回登場するモンスターペレント達に手を焼き、その人間的レベルの低さを軽蔑していた米倉が、共同体の論理を理解できていないという意味では、実は母親達と全く同じなのだという事に気付いていくという方向になっていくに違いない。

おそらく、国際司法の現場では負け知らずの米倉が、己の知らない自分自身のモンスター性に気付くという展開がオーソドックスだと思われるが、はたしてどうなるであろうか。

まさむね

ROOKIESと戦後処理

July 7th, 2008

今後、日本社会が、増加する下流層をどうすべきかという方向性(価値観)は2つあると言われている。

下流の人々の幸せを完全に保障するEU型
下流の人々にも等しく階級上昇の思想とチャンスを与えるというアメリカ型

TVドラマ「ROOKIES」のストーリーは、上記の2つの葛藤ドラマであると以前に書いたが、ここ数回の放送を見ていると上記に加えて、別のテーマが浮上してきているように思える。

それは過去の罪は消せるのか?消せるとしたら、どうしたらいいのか?というテーマだ。

前の年の夏の甲子園大会予選で大乱闘を起した二子玉川学園野球部員は周囲の、教師、他の生徒、先輩、後輩、他の高校、そしてマスコミ等から、過去の過ちを攻め立てられる。
それに対して、野球部員は、暴力を抑制し、努力している姿を周囲に見せる事によって、自分達がもう、かつての彼らではない事を証明しようとする。

これは、ちょうど、戦後の日本が先の大戦での罪科をどのように乗り越えていけばいいのかという戦後処理のテーマのアナロジーとなっている。
このドラマを、憲法九条によって武力を抑制された日本が、今後も繰り返されるであろう他国や反体制勢力からの謝罪/賠償要求に対して、どのように対応したらいいのかという事の一つの解決策を提示しているというのは評価しすぎであろうか。

まさむね

松田聖子と中島みゆき

July 6th, 2008

松田聖子と中島みゆきが富士フィルムのスキンケア商品のCMで共演した。

イメージで言えば、この2人、正反対のポジションにいる。

お嬢様と労働者
バルコニーと四畳半
憧れと恨み
青い珊瑚礁と冷たい雨
そして特権と宿命…

しかし、2人を象徴する言葉を対比させてみると、それが多くの女性が持っている表/裏の2面性に対応していることに気付かされる。
それは、多くの女性は、自分の中に松田聖子と中島みゆきを持っているという事でもある。

例えば…

平日は松田聖子、土日は中島みゆき
昼は中島みゆき、夜は松田聖子
上半身は松田聖子、下半身は中島みゆき…

CMの中では、宿命(動かない犬が表象している?)を動かそうとして動かせない中島みゆき。

それを、特権階級的な余裕で見守るお嬢様・松田聖子。

そして、二人の視線が合い微笑む。
気持ちが触れ合う最高のシーンだ。
同時にそれは、視聴者の中の二人が自然と融合する瞬間でもある。のかな?

まさむね

寺山の肝炎もC型か?

July 5th, 2008

●C型肝炎、陰性手前でウィルス値停滞。ウィルスも死に物狂いですからとは陽気なお医者様。
白血球の値が週によって上下。原因は不明。
インターフェロンを毎週投与しているせいか、だるい毎日。

●最近、寺山修司も肝炎だった事、肝硬変で死んだ事を知り、興味さらに深まる。
はたして、C型だったんだろうか?

●イーモバイル、米民主党大統領候補オバマ上院議員の演説をパロディー化し、背広姿のサルが民衆に演説を行うという内容のCMを放映中止に。
黒人への人種差別的表現だとの指摘を受けたためという。
TVドラマ「CHANGE」の朝倉啓太首相への冒涜に対するJ系圧力、あるいは自主規制かと思ったのに…

●中国産ウナギ偽装問題の魚秀社長、『人生の素晴らしさに気づく』 の著者・中谷彰宏氏と同姓同名なのが、意味無く笑える。
そのイケメンはは無用の長物か。

●養殖海老詐欺のワールドオーシャンファームの黒岩会長。作り笑いがそのまま固まったような顔に大笑い。

●毎日新聞変態記事報道問題、マスコミでの扱いとネットでの炎上の落差激しすぎ。
毎日側の「記事配信を停止することで、批判におこたえしたい」で逃げ切れるとか。
俺の知っている限り、唯一、テレビではミヤネ屋が報道。「内容が過激すぎてテレビでは紹介できません」には笑った。

●偽装横行の昨今、こうなったらマスコミには他社追随報道ではなく、公正な取材報道を熱望。

例えば、田舎の乾物屋で期限切れのレトルトカレー販売容疑とかで、女店主(81才)への独自の追い詰めインタビューとかの「勇気」に期待。

●また、マスコミには、全世界の特派員に観光地での日本人の記名落書を収集してもらい、実名報道してもらいたいです。

まさむね