フジテレビ火曜日22:00からの「モンスターペアレント」が面白い。
大筋で言えば、米倉涼子扮するやり手の国際弁護士が、ある町の教育委員会の依頼を受け、学校に理不尽な要求を突き付ける保護者と対決するドラマである。
しかし、法律を駆使して、白黒つけるようなグローバリゼーションの世界の住人が、突然に、談合と協調を行動原理とする村落共同体(教育委員会と学校)に迷い込み、法律も協調性も無いモンスターペアレント達に向き合い、自分の手法で物事を解決しようとするが、うまくいかない(結局いつも頭を下げさせられる)のである。
モンスターペアレントの第一回目は木村佳乃、そして二回目が南野陽子。
はたから見ていると(ワイドショー的感覚で見ていると)、全く不条理な要求を突きつけて来るそれらの保護者に対して、法律という武器を封印された米倉涼子が二連敗。
二回目までを見る限り、強さから言えば、個人の論理>共同体の論理>法の論理の順とされてしまっているところに、妙なリアリティがある。
米倉のストレスの溜め方、あるいは、いつ反撃出来るのかという興味が、次回からの放映をさらに楽しみにさせるという演出は、毎回、視聴者に対して、ストレスを解消させる事を主目的として提供されている他のドラマに比べてユニークである。
しかし、話の主題はおそらく、毎回登場するモンスターペレント達に手を焼き、その人間的レベルの低さを軽蔑していた米倉が、共同体の論理を理解できていないという意味では、実は母親達と全く同じなのだという事に気付いていくという方向になっていくに違いない。
おそらく、国際司法の現場では負け知らずの米倉が、己の知らない自分自身のモンスター性に気付くという展開がオーソドックスだと思われるが、はたしてどうなるであろうか。
まさむね
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