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PLEASE PLEASE ME

Monday, November 17th, 2008

PLEASE PLEASE ME

TOCP-51111
1963年3月22日発売(英)

●1963年2月11日、16時間の間にここに収録された14曲のうち、10曲録音された。
●マーチンは最初「オフ・ザ・ビートルズ・トラック」という名前を用意してた。
●全英チャート29週間連続トップを記録。このアルバムをトップの座から引きずり下ろしたのは「With the Beatles」だった。
●ジャケ写が撮影されたEMIビルは現在では無くなったが、この手すりだけは新社屋に移転されたという。

クォリーメンが結成されたのが1956年4年、このアルバムが発売されたのが1963年3月その間、約、7年間。 ジョン・レノンがデビューするのに、それだけかかっている。 あのビートルズのその後の成功を考えるとなんとも長い下積み期間だ。

この間、ジョンはポール、ジョージと出会い、ハンブルグに行って修行し、いろいろあって、やっとオーディションにひっかかりデビューとなったわけだ。 この間、後にビートルズとして成功するためのいろんな仕込み(自己投資)をしてるんだよね。演奏はどんどん上手くなっていっただろうし、斬新な髪型を始めとするファッションも編み出した。
シュールレアリズム、実存主義など流行りの思想にも触れただろうし、様々な女性たちと恋を重ねただろう。そして、何よりもメンバーの結束が鉄のように固くなった。この7年間は、それらために必要な期間だったのかもしれない。

今、日本のバンドでデビュー前にそれだけの時間、待ち続けるケースはどれだけあるんだろうか。 よくわからないが大抵は、デビューを待てず、夢破れ、普通の仕事に就ついちゃうんだろう。 若い頃の7年間ってのは圧倒的に長い時間だからね。

でも、彼らは待った。っていうか他の生き方なんて考えられなかったのかもしれない。
その期間にたまったエネルギー、これがビートルズ爆発の原動力になったことは確かだ。

このアルバムの聞き所はこのエネルギーそのものだ。

I Saw Her Standing There
★★★★☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1963/2/11

●1975年のエルトンジョンのコンサートに飛び入り参加したジョンがこの曲を歌うが、その時「昔、僕を捨てた婚約者のポールの曲」という風に紹介したという。


もともと、ポールが、
She was just seventeen, she’d never been a beauty queen.
彼女は17歳、美人コンテストで優勝はしていないけどね
って書いたのをジョンが、
She was just seventeen, you know what I mean?
彼女は17歳、どういう意味かってわかるだろ?
というアイディアを出してそれに決まったと言われている。確か、17歳っていうのは、イギリスでは親の承諾無く結婚できる年齢ってことじゃなかったっけ?
年長者のジョン、さすがに歌詞のテクニックでは、この頃のポールよりも一枚上だよね。

この曲がシングルにならなかった事が不思議。いい曲だ。

Misery
★★☆☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John,Paul 収録日=1963/2/11,20

●当時人気のヘレン・シャピロのために書いた曲。

でも、歌詞が暗すぎるってことで採用はされなかった。

The world is treating me bad… Misery
世の中が私につらくあたる…惨め

それにしても、なんでこんな暗い曲を当時16歳のアイドル歌手に歌わせようとしたんだろう。
そりゃ断られるぜ。でも、断ったほうは後々、後悔しただろうな。レノン=マッカートニーのクレジットだからね。

特に印象に残らない曲。すみません。

Anna [Go To Him]
★☆☆☆☆


◆(Arthur Alexander) V=John 収録日=1963/2/11

●アーサー・アレキサンダーという黒人R&Bシンガーのカヴァー曲。

そう言えば、甲斐バンドにも「アンナ」って曲あったな。 この曲のオマージュ?

ジョンのボーカルが聴き所。

Chains
★☆☆☆☆


◆(Gerry Goffin/Carole King) V=George 収録日=1963/2/11

●黒人ガール・コーラス・グループ、クッキーズのカヴァー。

ジョージの枯れた味。最初から彼の持ち味だったんだね。

Boys
★☆☆☆☆


◆(Luther Dixon/Wes Farrell) V=Ringo 収録日=1963/2/11

●黒人ガール・コーラス・グループ、シュレルズのカヴァー。

リンゴのリードボーカル。バックコーラスで他の3人が張り切っている。リンゴは幸せだ。これで、このアルバム、ポール、ジョン、ジョージ、リンゴと4人のボーカルナンバーがそろったわけですね。

リンゴファンのための曲。彼らしいボーカルが、かわいい。

Ask Me Why
★★★★☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1962/11/26
Please Please Me のB面として発売。


何故か、私はこの曲が聞きたくて、でも、お金もなかったため、Please Please Me のシングル盤を購入したという思い出がある。
なぜなら、この曲をラジオで聞いて忘れられなかったからね。
その時そのラジオ番組で、Baby you’re rich man とWe ca work it outも流れたんだ。
どういった番組かも忘れたが、たまたま録音していて何度も聞いたもんだよ。

Love Me Doより名曲だと思うんだが、何故シングルA面にならなかったの?当時のマーチンの狙いがわからん。

Please Please Me
★★★★☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1962/11/26
●もともとスローテンポだったのをマーチンがスピードを上げるように指示。大ヒットにつながる。
●ポンキッキでもよく流れてたから、30歳代の人にも馴染みのある曲なんじゃないかな。


Beatlesは、最初から母性本能をくすぐることをコンセプトにしていた。それが、成功したんだろうな。
デビューのLove Me doも、このPlease Please Meも「お願い型命令形」の歌だからね。
そしてその後、From me to you抱きしめたいとかのリアクションでビッグな存在になっていくんだよ。ビートルズの成功のためには、デビューから最初の2曲の、こういった低姿勢から始まったってのがポイントだったんだと思うよ。そういえば、コンサートとかで見せる彼らの、お辞儀の深さ凄いよね。そういう意味でエプスタインのプロデュース力はたいしたもんだ。だって当時、30歳前でしょ。本当、エプスタインさんも天才だよな。

ビートルズの出世作。熱気が凄い。

Love Me Do
★☆☆☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1962/9/11
●ビートルズのデビュー曲。


中山康樹氏も言ってるが、なんでこんな曲がデビュー曲なんだって正直俺も思ってる。マーチンは本気でビートルズを売る気があったんだろうか。その後の成長のために、一度は壁をつくったのか?星一徹じゃないんだから、そんなことはないか。それでも、後に全米No.1になっちゃったんだから、当時の勢いってのは凄かったんだろうな。

デビュー曲にしては地味な曲。

P.S. I Love You
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=Paul 収録日=1962/9/11

●リンゴはマラカス。アランホワイトがドラムスを担当。

リンゴ寂しい~(財津一郎風に

昔、「優」君って名前の友達がいたんだけど、この曲を聴くと、彼の事、思い出すんだよな。
ポジティブなポール得意なメロディだよね。

この曲もそうだし、All my lovingもそうだけど、ポールは電話より、手紙の方が好きみたいだね。

ポールの初期の名曲。

Baby It’s You
★☆☆☆☆


◆(Hal David/Baney Williams/Burt Bacharach) V=John 収録日=1993/2/11,20

●バートバカラックの曲 。


これもジョンの歌唱力で持ってる曲。「Meet the Beatles」っていう日本版でよく聴いたけど、なんとなく聴いてただけで、メチャクチャ好きって曲じゃなかったな。

シャラララララー♪っていうのが印象的でした。

Do You Want To Know A Secret
★★★★☆


◆(Lennon=Maccartney) V=George 収録日=1993/2/11

●アメリカではサンキューガールのB面ながら、No.2のヒットとなった。


ジョンとポールとマーチンとエプスタインによるジョージハリソン=奥手男プロデュース計画の第一弾がこの曲。
Listen
Do you want to know a secret. Do you promise not to tell, whoa oh, oh

聞いて。 僕の秘密知りたい?誰にも言わないって約束する?
Closer
Let me whisper in your ear
Say the words you long to hear
I’m in love with you

じゃあそばに来て。耳元でささやいてあげる。 君が待ちわびている言葉さ。実は君が好きなんだ。

なんか、幼児がお母さんに向かって言うような愛の告白だな。そこまで子供扱いされていたのか、ジョージ。ちなみに、このthe words you long to hear君が待ちわびている言葉っていうのはジョンの得意のフレーズなんだ。All I’ve Got To Doでも使ってるからね。

ジョージ頑張ってるな。アイドルとして。

A Taste Of Honey
★★★☆☆


◆(Bobby Scott/Ric Marlow) V=Paul 収録日=1993/2/11
●邦題は「蜜の味」 。


ポールのハンブルグ時代からの十八番。この曲をライブで演るとき、ポールは「次はジョンの嫌いな曲をやります」って言ってたらしい。

ごめん、ポール、僕もそんなにこの曲好きじゃなかったりするんだ。

There’s A Place
★★★☆☆


◆(Lennon=Maccartney) V=John 収録日=1993/2/11

●ハモニカが目立つ曲。


この曲の流れは、「I’ll Cry Instead」「Nowhere Man」と続いていく。本質的に引きこもり体質のあるジョンの内省ソング。この3曲をジョンの引きこもり3部作と呼ぼう。3部作の冒頭の詞を書いてみるね。
1)There’s A Place
There is a place, Where I can go, When I feel low, When I feel blue.
And it’s my mind, And there’s no time when I’m alone.

気持ちが沈んだとき、憂鬱なとき僕がいつもいく場所がある
それは僕の心の中 ひとりでいると時のたつのも忘れる

2)I’ll Cry Instead
I’ve got every reason on earth to be mad, ’cause I’ve just lost the only girl I had.
And if I could get my way, I’d get myself locked up today,

But I can’t so I cry instead.

頭がおかしくなってもしかたがない たったひとりの恋人に捨てられたんだ
できるものなら、いますぐ閉じこもっちまいたいけど そうもいかない以上
僕は泣くしかないのさ

3)Nowhere Man
He’s a real nowhere man Sitting in his nowhere land
Making all his nowhere plans For nobody

あいつはどこへも行き場のない男 実在しない空想の国に閉じこもり
誰のためともなくどうなる当てもない計画をたてる

ねっ、みんな共通してるでしょ。

ザラザラした感じがいいね。初期の名曲。

Twist And Shout
★★★★☆


◆(Phil Melody/Bert Russell) V=John 収録日=1993/2/11

●1963年11月「ロイヤルバラエテシィショー」に出演したビートルズ。ジョンは、「次の曲ではみなさん全員に参加していただきたく思います。安い席のお客さんは手拍子をしてください。 そうでないお客さんは宝石をジャラジャラならしてください」と言ってこの曲を演奏した。
●1963年2月、Please Please Me セッションで最後の演奏された。この時ジョンは風邪を引いていたが、最後、上半身裸で演奏したという伝説が残っている。


70年代ラジオ日本でやってたビートルズ番組では最初にこの曲が流れた。ビートルズの代表曲のひとつだが、オリジナルじゃないんだよな。オリジナルはアイズレー・ブラザーズ。俺は、知らないバンド。

ある意味、ビートルズを代表する汗曲、熱曲、凄曲。ここからすべてが始まった...