Posts Tagged ‘EXILE’

1億3000万人が選ぶベストアーティスト2008斬り

Tuesday, December 16th, 2008

1億3000万人が選ぶベストアーティスト2008

歌う前に投票の結果が発表される趣向。ファンの男女比とかわかって興味深い。

オープニングは、関ジャニ∞。
NSKDは「ラストフレンズ」でデートDV男やってたから覚えてるが、その他はテレビで見るのは初めてだ。
コミックグループだったのか。関西出身だからっていうお笑い路線って、安易なマーケッティングじゃないか。

KAT-TUN、以外に十代の男性にも人気があることがわかった。
彼らのファッションとライフスタイルに憧れているのではとの赤坂泰彦の解説。
ファッションは分からなくもないが、KAT-TUNのライフスタイルって何だ?
高級セキュリティマンションでお笑い番組見て、GYMとの往復がそんなにいいのか?
また、KAT-TUNへの50歳の主婦からのファンレター。「コンサートで騒いでいいですか?」って、ダメとは言えないだろう。

続いて、Kinki Kids。アンケートによると10代、20代は女性人気だけど、30代では男性人気の方があるって、30代になって、Kinki Kids聴く男ってどんな階層か?
二十数作連続オリコン1位ってギネス記録らしいけど、TOKIOの紅白の連続出場と同じで、崩したらイメージ落ちちゃうよね。
発売時期は他のジャニ系の発売、控えたりして、結構苦労するんだろうな。一時、自社でのCD買占め疑惑ってのもあったよね。

この間、ジャニをはさんでaiko、大塚愛、中島美嘉が熱唱。さすが長年、この世界で飯を食ってるだけあって、グッドパフォーマンス。
3人とも、やはり圧倒的に男性ファンよりも女性ファンが多い。
女性アーティストが生き残るには、女性向けのマーケッティングが必須って事か。

Perfume、鼠先輩、大橋のぞみが登場。

鼠先輩のジョークにのぞみちゃん、ふにゃふにゃと半ウケ。
司会の今田から、のぞみちゃんに、鼠先輩には、あまり近づかない方がいいよ。には苦笑。

Perfumeのパフォーマンスはいつも同じと言えば同じ。
鼠先輩はなんか場違いな感じ。でも、考えてみれば、日テレでは、「スッキリ!!」とか「ラジかるッ」でデビュー前からプッシュしてたからね。
のぞみちゃんのポニョは、いくら下手でも、彼女が歌えば、それが正解っていうのが強みだよね。

続いて安室奈美恵の登場。10代男性、20代女性に人気というのも分かる。「NEW LOOK」はどうせならば、前髪パッツンで歌ってほしかった。
平井堅は久々登場の印象。声を出すときのブレス音が気になるが、それは”老い”か、”味”か。

ここで何故か、アニマル浜口親子。気合パフォーマンス。この人の芸もユニークだよね。何故か、僕にとってはマンネリ化しない。

そして、倖田來未。
10代、20代は女性からの支持、40代、50代は男性から極めて高い支持。
おそらく、夜のキャバクラ系キャラは、10代、20代の女性にとっては憧れ、40代、50代の男性は”お客さま”としての支持といった解釈か。
私生活に関しては、料理が趣味とか。もう一つのプライベートに関しては、無言。私は貝になりたいというところか。

続いてV6とTOKIO。
TOKIO紹介のVを見ると、今年の活躍として、国分が「ゴチバトル」、山口が「オネエマンズ」、長瀬、城島等は「鉄腕DASH」、松岡は「ヤスコとケンジ」で活躍が紹介される。
いつの間にか、日テレの御用タレント化してたのかTOKIO。
V6は渋くキメる。簡保さんも元気。パフォーマンスだけで言えば、ジャニーズ随一だな。
TOKIOの演奏はいつも安定してる。特に松岡のドラム上手いと思う。

次は青山テルマと木山裕策。
木山の応援団として、木山を輩出したオーディション番組の「歌スタ」から東野とチュートリアルが登場、今田も含めて、芸人仲間であんまりジャレていたら、徳光に青山テルマにも話しを聞いてって普通に怒られる今田。苦笑い。

テルマはいつも通り。
木山は短髪で小粒な平井堅という感じ。境遇話とセットじゃないと辛いか。

そして9時またぎは、ザッピンッグする一般視聴者取り込み用にSPEED登場。
「SEADY」「Body&Soul」「WhiteLove」等の往年の名曲に、「明日の空」を加えたメドレーの大サービス。今年の24時間テレビからの再結成だからね。

芸人4人登場。はるな愛、渡辺直美、芋洗坂係長、エド・はるみのいつもの芸。必要あったのか。まとめて別番組に宅配したい。
続いて、2001年~昨年までの番組のハイライトメドレー。2001年には、宇多田ヒカルとか出てたんだ。

ここで嵐の登場。
ご存知の通り、総務省総合通信基盤局長、電波部長を歴任された櫻井俊氏は、事務次官の呼び声も。
息子の翔君は日テレの「ZERO」のキャスターや北京五輪でのメインパーソナリティ。
妹さんは、日テレ内定でしたっけ。
家族そろってご活躍、なによりです。歌の開始は、まだ会場に来ない松潤待ち。

待っている間、EXILEと絢香。
EXILEは「Ti amo」いつも通り。
支持は40代、50代の女性からが圧倒的。彼らの歌は基本的に、ベッドでのささやきソングだからね。そういうオバサンに強いんだ。

絢香のパフォーマンスの前に小倉智昭からのビデオメッセージ。
「今年は絢香のライブ、6回しか行けなくてごめん。来年は8回くらい行くから」といつものさりげない嫌味自慢。

続いてハセキョーをハラませたポルノ・新藤の登場。
今田のトークで、ヴォーカル・岡野昭仁が吉本興行の山崎邦正とメル友という話になるが、徳光ついていけず、多分、山崎まさよしと勘違いしたか、ちぐはぐな受け答え。逆に笑える。

コブクロも登場。先日、渋谷で路上ライブやったんだって、こういうストリートミュージシャン系の人ってたまに、路上に戻りたくなるみたいね。

そして10時またぎ(正確にいえば、9時58分)に嵐の松潤、間に合う。
っていうか、「待ちに待った」という完璧なタイミング、さすがプロというべきか、楽屋で待ってたというべきか。

歌ったのは「one love」(映画の方の花男ソング)「風のむこうに」(日テレ北京五輪ソング)。
今年一番のヒット曲「Truth」と最新ヒット曲「Beautiful days」は歌わず。ちなみにそれぞれ、TBSの「魔王」、同じくTBS「流星の絆」のテーマ曲。

驚いたのは、ここでサザンオールスターズの登場。番組HPに名前がなかったのに...と思いきや、コンサートのビデオだった。勿論、信号三色旗は無し。
交渉したけど、出てもらえなかったという事だけはメッセージとして伝わる。

そして、満を持してMr.Chldrenの登場。HANABIの熱唱。
改めて思う。桜井ってゆずの北川に似てるよね。こういう顔、トイズフェイスっていうのか。

続いて、3000万人が選んだアーティストのビデオ登場。
宇多田ヒカル、小田和正、B’z、Greeeen、SMAP、福山雅治、ドリカム。出てもらえなかった人たちです。

そしてここで、何故か、世界の歌姫・ブリトニースピアーズ登場。
ところが、パフォーマンスはともかく、明らかに音声の調整ミス、小さすぎ。
歌が大橋のぞみよりも迫力無い。
インタビューにも、登場するが、退場も早い早い。

最後のトリは、浜崎あゆみ。
FNS歌謡祭の時は、SMAPがトリだったが...
新曲を披露。さすが大物と言うべきか、傲慢って言うべきか。
Vで今までの浜崎の10年のヒット曲流す。視聴者的には、これで帳尻か。立場の弱い日テレ。

最後のMC。
舞台には、芸人達だけ残るという無残な段取り。
徳光まとめるが、全体的にノリ悪く場違いの感あり。彼は演歌番組向き。
そういえば、飯島直子いたのか。

◆関連エントリー◆
2008年FNS歌謡祭 斬らせていただきました
MUSIC STATION SUPERLIVE 2008を斬らせて頂きました

まさむね

(R&B)+平安文学=EXILE

Thursday, November 20th, 2008

CDのミリオンセラー(シングル)が出なくなったよね。
このままで行けば、今年は一曲も出ないかもしれない。
おそらく、こんなことは、1990年以降では初めての状況である。

でも、こんな時代ではあるけど、現在、最も、今日的なメジャーアーティストは誰かと問うならば、EXILEという答えに異存無い人は多いと思う。それほど、彼らの楽曲はヒットチャートの常連なのである。
さて、このEXILEであるが、その特徴はR&Bを基礎とした官能的なサウンドと世界観にある。
わかりやすい言葉で言えば、その世界は「不在の彼女(彼氏)が残していったぬくもりを愛おしく思う一瞬」を歌にした感じだ。

例えば、彼らの代表曲「ただ・・・逢いたくて」。

ただ逢いたくて…もう逢えなくて
くちびる噛みしめて泣いてた。
今逢いたくて…忘れられないまま
過ごした時間だけがまた一人にさせる

そして、昨年のヒット曲「I believe」。

君のもとへ飛んで行きたい
いつもそばで感じていたい
瞳閉じて君を映し出す
今だけは寄り添って 君だけを感じたい
繋いだその手を 離さないように
君がいる季節は 何よりも輝いて
優しく包んでくれるから

さらに、最新のヒット曲「Ti amo」。

日曜日の夜は ベッドが広い 眠らない想い 抱いたまま朝を待つ
帰る場所がある あなたのこと 好きになってはいけない わかってたはじめから
どれだけの想いならば 愛と呼んでいいのでしょうか?
この胸をしめつけてる この気持ちに名前をください

これらの歌詞には、くちびる、瞳、手、胸という肉体的な言葉がちりばめられているが、それが彼らの創り出す世界をなまめかしくしているんじゃないかな。
相手の不在を想い、心を焦がすというのは、恋の基本シチュエーションだが、このEXILEの世界の艶かしさって、どこかであったなぁと思い返してみると、実は日本の伝統、平安王朝の和歌の世界がまさにそれなんだよね。言うまでもないんだけど、平安時代の貴族階級ってのは、通い婚なんだよね。男が女の屋敷に夜這いをかけるのが唯一の逢う方法。だから、女は待つしかない。その待つ身の切なさが平安文学を生む土壌にあるんだよね。

例えば、その代表歌が、待賢門院堀河の有名な一首。百人一首にも引かれてるから知ってる人も多いと思う。

ながからむ心もしらず黒髪の乱れて今朝はものをこそ思へ
(ずっと好きだよって言うあなたの気持ちも、本当かなぁって思ってしまう。あなたが行ってしまった朝の寝乱れた黒髪のように心が乱れるんだから)

また、同じく百人一首にある藤原道綱の母の一首。

嘆きつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る
(また、来てくれなかったあなたのことを嘆きながら過ごす独り寝の夜が、こんなに長いなんて、あなた、わかってるのかしら)

ねっ、EXILEの世界と通底しているでしょ。
EXILEが、現代日本で受けているのは、R&Bのリズムと日本独特の平安貴族の感性の融合が生み出す肉体性(官能性)なんじゃないかな。

だから、昨年の日本レコード大賞の授賞式で、最優秀歌唱賞受賞の瞬間、ATSUSHIの後ろで作り笑いをしていたパフォーマーの面々、そんな顔をする必要は無いんだよ。
パフォーマー達のダンスがあるからこそ、EXILEの世界の肉体性がリアリティを帯びるんだからね。

まさむね