Posts Tagged ‘スキャンダル’

女の友情篇「スキャンダル」第8話を読み解く

Sunday, December 7th, 2008

TBS日曜劇場「スキャンダル」の第8話。
残念ながら、いわゆる”謎”の解明に関してはほとんど進展はなかった。

ひとつ明確になったのは、新藤たまき(桃井かおり)の子供・駿介が実は既に死んでいたということだ。
前回のエントリー、『第7話 急展開の「スキャンダル」を読み解く』で、僕は駿介はたまきの前の夫と一緒に出て行ったのではないかとの推理をしたのであるが、それはなかった。

ただ、この駿介の部屋には、彼が亡くなった当時と全く同じ状態で残されていた。
たまきは、駿介の死以降、この部屋を開けたことが無かったという。開けることによって、そこに駿介がいないという現実に耐えられなかったのだ。
そして、何年かぶりにその部屋に入ったたまき。
貴子(鈴木京香)、ひとみ(長谷川京子)、真由子(吹石一恵)も一緒にその部屋で、たまきと号泣する。
サスペンス物として見ていた視聴者の涙をも誘う名場面になった。勿論、僕も泣いた。

泣きはらした後、それによって、さらに友情の絆を深めた4人。
そこに、たまきの夫・哲夫(石原良純)が帰って来て、理佐子(戸田菜穂)からの手紙を渡す。
番組HPによると、そこには、「真実を知りたければ、日曜日に結婚式を挙げた教会に来て」とあったという。
4人はそこでどんな”真実”を目にするのだろうか。

さて、ここで再度、現時点での”謎”を整理してみよう。

★何故、理佐子の携帯電話を久木田が持っていたのか。
これは、少なくとも結婚式の前の時点では理佐子と久木田はグルになっていたことをあらわしているのではないか。
ただ、その後、理佐子がなんらかの理由で久木田のもとから離れていったのではないだろうか。
おそらく、それには、その結婚式の夜のラブホで傷害事件が関係しているのに違いない。
おそらく、理佐子は、あの晩、久木田とグルになって金沢を脅そうとしたのではないか。
あるいは、全く逆に、金沢が理佐子を脅迫。逆上した理佐子がナイフを手にして...という可能性もある。
そして、そこには、久木田の他に、哲夫、雄一、秀典(沢村一樹)も絡んでいた..がこれはまだまだ謎だ。

★理佐子が結婚式の前に賢治(遠藤憲一)、秀典に借金を依頼していた。
これは、何のための借金だったのか。金沢への手切れ金だったのか?

★貴子が理佐子の携帯に電話したとき、一度、男が出ている。
今考えてみると、これは哲夫の声だったのではないか。哲夫が理佐子を駿介の部屋に匿っていたということを考えれば、これはほぼ間違いない。
ということは、この時点で、久木田、理佐子、哲夫は元々、グルだったということになるのだろうか。
しかし、何故、哲夫が電話に出たのか?これはまだ謎である。

★久木田が何故、貴子にモーションを掛けつづけるのか?
これは、純粋に久木田の貴子に対する愛情と理解していいものなのか。おそらくそれは無いであろう。
あるいは、最終的には久木田が貴子から、金を引き出そうとしているのか。それも現時点では不明。
久木田が貴子に対して、理佐子からの「別れ」のメールを見せたというのも、久木田が貴子の気を惹くための自作自演だったのではないだろうか。
また、今回の放送で久木田がわざわざ、貴子の家に行くシーンがあるが、これは2人の関係を夫の秀典に見せることによって、秀典を疑心暗鬼にさせ、貴子と秀典を別れさせようとしているとしか考えられない。

★久木田がアメリカに行った様子が無い。。
根本的な疑問として、久木田は、実は国際ピアニストではないのではないか。別人なのを偽っている可能性というのもまだあると思われる。

★何故、理佐子は久木田の前から逃げなければならないのか
理佐子は久木田に対して、まだ秘密があるようである。
次回の放送で、理佐子は哲夫のもとからも逃げるということであるが、金沢、久木田、哲夫と逃げ続ける理佐子、次に行くのは、どこか?真由子の夫、賢治のところか?

★結婚式の晩、金沢と一緒にラブホに入るときの理佐子が貴子を見る表情(敢えて、貴子にその姿を見せつけようとしているような表情にも見えなくはない)
貴子の心を乱そうとしたのか。この表情の意味はいまだ不明。

冒頭にも述べたが、今回の放送は謎の解明に関して、ほとんど進展は無かった。
しかし、4組の夫婦の仲は確実に崩壊の方向に向かっている。

そこで初回の結婚式における理佐子の4人に対する「私は勝ったわ」というセリフに戻りたい。
理佐子は、今回の一連の騒動で4人の結婚生活を壊すことを、勝つと表現したのかもしれない。
そうすると、あの結婚式の晩に、理佐子がバーでナンパゲームを仕掛けたことも別の意味を帯びてくる。4人のアバンチュールの危険と甘さを味合わせようとしたという事になるからだ。

さて、4人は、現状の夫婦生活よりも、かけがえのない友情と、人生における新しいステージ、見せ掛けではない本当の愛をつかむのであろうか。
最終回の最終的な映像としては4人が幸せそうに並んで歩くシーンが思い浮かぶが、はたしてそうなるのか。
残り2回。まだまだ、予断を許さない。

まさむね

アラフォーの応援歌 『Love ~Winter Song~』(福原美穂)

Sunday, December 7th, 2008

TBS日曜劇場「スキャンダル」の主題歌、福原美穂の『Love ~Winter Song~』が素晴らしい。

ここ最近、青山テルマやEXILE等、どちらかといえばモノローグ的(ささやき系)の楽曲がヒットチャートの上位を占めていたが、久々に開放的なキャラクタの登場だ。

そういえば、数ヶ月前に「特ダネ」で小倉智昭さんが絶賛していたのを思い出す。
小倉さん曰く、とにかく格段の歌唱力で、ロサンゼルスの黒人教会で彼女がゴスペルを披露したとき、参列していた信者達が号泣したというエピソードがあるという。
日本人はとかく、本場におけるそういった伝説に弱いのだが、福原美穂の歌は、そういったギミック(売らんがための仕掛け)が不要なほど、魅力的に思える。

その歌詞のポジティブさは特筆ものだ。

世界中にありったけの花束と喜びを
あなたに出会えたこと 大事な宝物だよ
この手の中 溢れている小さな笑顔や涙
あなたの瞳(め)に映る未来を 祈っているよ

先週、「29歳のクリスマス」の再放送をしていたが、その主題歌『恋人達のクリスマス』は福原美穂が最初のテレビオーディションで披露したというが、思えば、1994年に放送されたこの山口智子、松下由樹のトレンディドラマの登場人物の世代がちょうど、今、いわゆるアラフォー世代と呼ばれている人たちだ。
おそらく、彼女達の明るさ、溌剌さは今年の流行語大賞に選ばれるほど、現代日本では突出した存在なのではないだろうか。

ちょうど、男女雇用機会均等法が施行された頃に就職した彼女達は、最も仕事(そして自分の人生)に対して、前向な世代と言われてきた。
彼女達は、今の20代の女の子達よりも、結婚後のキャリア継続願望、あるいは、自己実現願望が強いのだ。

この『Love ~Winter Song~』、「Around40〜注文の多いオンナたち〜」の主題歌『幸せのものさし』(竹内まりや)、そして『恋人達のクリスマス』も加えた3曲は、そんな彼女達の応援歌としてこれから年末・年始にかけて、カラオケ屋を賑わせてほしいものである。

まさむね

第7話 急展開の「スキャンダル」を読み解く

Sunday, November 30th, 2008

TBS日曜劇場「スキャンダル」が急展開している。

新藤たまき(桃井かおり)の夫の哲夫(石原良純)が、理佐子(戸田菜穂)をホテルで匿っていたのだ。
しかも、結婚式から3日の間は、新藤家に理佐子が居たという。

ということは、駿介はそこには居なかったということだ。
しかし、この事は、たまきのトラウマになっているらしく、勝沼刑事(小日向文世)が駿介の部屋に踏み込もうとすると、たまきは異常に拒む。

ここで、一つ引っかかるのは、前回放送時、たまきは勝沼に、息子の事を相談しようとしていた事だ。
勝沼には、奥さんに逃げられたという過去がある。だからこそ、たまきは勝沼に共感するものがあったということなのか。

という事は、たまきも同様にかつて、夫に逃げられている、しかも息子も道連れにして逃げられているのではないのだろうか。
しかし、夫はともかく、息子に去られたたまきはその事を心の中で整理しきれず、部屋から出てこない息子という虚構を自分の中で作り上げて、固執していたのではないか。

その後、たまきと結婚した哲夫は、結婚生活においても、たまきの精神状態をそのまま受け入れるしかなかったが、それは相当ストレスになっていた。
その哲夫のストレスが、今回の理佐子を匿うという行為とどのように結びつくのはは現時点では不明である。

もしも、理佐子と哲夫の二人の間に男女の関係があるとするならば、理佐子が結婚式でみんなに言った「私は勝ったわ」というセリフは、ほぼ、説得力を持つ。
貴子(鈴木京香)の夫の秀典(沢村一樹)、真由子(吹石一恵)の夫の賢治(遠藤憲一)とは理佐子は付き合っていた事が判明しているが、ひとみ(長谷川京子)の夫・雄一(光石研)に関しては、少なくとも上司の金沢が付き合っており、その金沢が雄一にこう言った「八年前の一件は元々君が画策したんだ。 いいか、私と君は同罪だ。忘れてはいけないよ」。
ようするに、なんらかの秘密を共有をさせられているのだ。(もしかしたら乱交パーティ的な性的行動もあったか?)

そこで、一つ考えられるのは、久木田慶介(加藤虎ノ介)が起した8年前の傷害事件に関してだ。
この事件は、雄一が画策し、なんらかの挑発をして久木田に事件を起させたという事が考えられる。
そして、それをネタに、金沢&雄一が久木田から金を巻き上げようとしたのではないかという事も想像できる。(財務官僚は金が無いという雄一のたびかさなるつぶやきが気になる)
その時、哲夫が弁護士として、賢治が医者として、その事件にかかわっているのではないかというのはまだ未確認だがありえる話だ。
弁護士が示談をまとめ、示談を有利にすすめるために、医者が偽りの診断書を書いたというのが2人の役割だ。

そして、もう一つが、結婚式当日の夜にあのラブホで金沢と理佐子の間になにがあったのか、そして、その後始末に誰がどう動いているのかという点だ。
番組HPによるとたまきの家の駿介の部屋に理佐子の指紋と血痕のついたナイフが見つかるという。
という事はあの晩、ラブホで理佐子は金沢を刺し、その後始末を哲夫に依頼。哲夫は理佐子を自分の家に連れてきて、駿介の部屋に置くということではないだろうか。

では、何故、あの晩、ラブホで刃傷沙汰が起こったのか。
理佐子が金沢に別れを迫ったが、そのための手切金が用意できなくて、話が紛糾して、思わず刺して逃げてしまったのではないか。
おそらく、理佐子が賢治や秀典に借金を無心していたのは、そのための手切れ金の工面だったのではなかと思うのだ。

さて、ここでまだ判然としない伏線を整理してみよう。
★理佐子の携帯電話を久木田が持っていた事(これは、少なくとも結婚式の前の時点では理佐子と久木田はグルになって、金沢を陥れようとしていたが、ただ、あの晩の顛末によって、理佐子は久木田の前からも姿を消した?)。
★久木田が貴子にモーションを掛けつづける理由(これは、最終的には久木田が貴子から、金を引き出そうとしているとの推理が出来る。と同時に、久木田は、実は国際ピアニストではない。別人なのを偽っている可能性がある)。
★理佐子が久木田の前から逃げなければならない理由(理佐子は金沢と別れるという前提で久木田と結婚するが、その約束が果たせなくて失踪か?あるいは、逃げているように見せている狂言か?)
★結婚式の晩、金沢と一緒にラブホに入るときの理佐子が貴子を見る表情(敢えて、貴子にその姿を見せつけようとしているような表情にも見えなくはない)

まだまだ、未整理のスキャンダルではあるが、残り数回、ますます楽しみだ。

まさむね

第6話までの「スキャンダル」を読み解く

Tuesday, November 25th, 2008

TBS日曜劇場「スキャンダル」。前回までの放送で、張りまくった伏線の回収が行われると思いきや、まだまだ新しい謎が出てくるエキサイティングな展開である。
これは、TVドラマとしては新しい挑戦のような気もするが、数字的にはジリジリ落ちているのが気になる。
話が複雑になりすぎると、脱落者も増えるし、新入視聴者に対する壁が高くなって、再浮上が難しいからね。

それはともかく、現時点で、このドラマを解いていってみよう。

数ある伏線の中で、最も気になる伏線が、初回放送で花嫁の理佐子(戸田菜穂)が、結婚式の招待客である貴子(鈴木京香)、ひとみ(長谷川京子)、真由子(吹石一恵)、たまき(桃井かおり)の4人を前にして言った「私は勝ったわ」というセリフである。

一体、花嫁はどういった場合に、このような言葉を吐けるのか。

勿論、花嫁が、それらの来客とあまり仲が良くないという大前提もあるだろう。
親友にはそんな事言わないものだからね。
しかし、一般的には、その前提プラス、以下の3つのシチュエーションのうちのどれかが加わる事によって、そのセリフが出てくると思われる。

1)4人の夫よりも、自分の結婚相手の方が格上であることが明らかな場合。
2)4人の夫と過去に付き合っていた事がある場合。
3)4人の夫が、現在でも理佐子に頭が上がらないなんらかの弱みを握られている場合。

まず1)であるが、確かに、国際的ピアニストの妻というステータスは、弁護士、医者、財務官僚、大手代理店社員と比べて遜色無いようにも思えるが、決定的とは言い切れない。

また、2)に関してであるが、少なくとも貴子の夫の秀典(沢村一樹)とはそういった関係にあった。それによって、現在、二人の関係は最悪に冷え切っている。

そして、真由子の夫の賢治(遠藤憲一)も、確かに過去にはつきあっていたと思われる。
しかし、それは真由子も承知済みだ。なぜなら、真由子は理佐子から雄一を奪っているからだ

また、ひとみの夫・雄一(光石研)は、以前、理佐子が働いていた高級クラブに、ひとみに連れて来られ、それ以降、その高級クラブを見知るようになり、その後、上司の金沢(春田純一)にこの店を紹介した。
結局、理佐子は、金沢の愛人となるのだが、可能性として、雄一は、上司の金沢と理佐子が付き合う前に、客とホステスとの関係、あるいはその先の関係を持っていた可能性も捨てきれないのだ。

そして、最後、たまきの夫・哲夫(石原良純)と理佐子との男女関係だが、これは、まだはっきりしていない。

さて、3)に行く前に、ここで、登場人物を関連付ける過去の事件に関しても触れておきたい。

理佐子は、8年前にある、高級クラブで働いていたが、その時、そこでピアニストをしていた久木田慶介(加藤虎ノ介)が、客だった金沢に対して傷害事件を起していたのだ。
そして、その現場には、雄一もいた。さらに、その事件を示談に持ち込む時に依頼された弁護士が、哲夫だったのだ。

それを踏まえて、3)に関してである。

まず貴子の夫・秀典だが、男女関係に関しては締りが無いところがある。いまだに理佐子に会えば、思わず優しくしてしまいがちな性格なのだ。
後日、行方不明中の理佐子(疲れている)が高柳家をフラフラと訪問するが、これは、理佐子ではなく、秀典を頼って来てしまったではないか。
いや、逆に秀典に金を無心に来たのかもしれない。ただし、秀典が応じるには、なんらかの弱みを理佐子に握られている可能性が高いが、それが何なのかは、わからない。

そして、真由子の夫の賢治(遠藤憲一)と理佐子の関係についてだが、先ほどは過去の関係について書いたのだが、現時点でも二人の関係は続いている可能性がある。
まずは、賢治の携帯履歴には、理佐子からの電話が沢山ある事、しかもそれは真由子に見られているのだ。
さらに、理佐子は結婚式の一ヶ月前に賢治に借金を依頼していた。
しかも、賢治は、二人の関係を、理佐子にバラされたくないという引け目がるあったためか、一旦は借金依頼を断ったにもかかわらず、理佐子が失踪した原因が断った事にあるのではと心配し、久木田に500万円の小切手を強引に渡しに行っているのである。

また、ドラマ公式HPによると来週放送のあらすじでは、「様子のおかしい哲夫を尾行したたまきは、あるホテルに夫が入ったのを知り確認を取ろうとした」とある。
ということは、そのホテルに理佐子がいる可能性がある。しかし、理佐子疾走事件に哲夫が絡んでいるという確証は現時点ではない。
あくまでも推測の範囲での話であるが、哲夫のキャラ、弁護士能力からして、哲夫が8年前の事件の示談の弁護士をした際になんらかの下手を打ち、久木田のための示談金を用意した理佐子になんらかの引け目がある可能性があるだけだ。

さらに、雄一だが、彼は財務官僚だから、上司の失態は必ず隠さなければならない。その雄一の立場こそが、理佐子に対する弱みになる可能性があるのだ。

上記を勘案すると、現時点での推理にはなるが、それぞれの結婚相手に対して...

★秀典と賢治は、過去だけではなく、現在も理佐子と付き合っている。
★雄一は、理佐子と過去に付き合っていた事に加え、その事を上司に伝えてない弱みを理佐子に握られている。
★そして哲夫は、過去の事件の処理での不手際から、理佐子に弱みを握られている。

という関係があるのではないだろうか。そして、それを持ってして、理佐子は、4人に対して「私は勝ったわ」と言ったのではないかと思うのだ。

しかし、それでも、まだまだ回収されていない伏線がある。代表的なものとして、以下のものが思いつく。

◆理佐子の携帯電話は久木田が所持していた事。(これは、久木田と理佐子がグルであることを示唆。)
◆久木田がなかなかアメリカに行かず、度々、貴子と会おうとする事。(久木田が実は国際ピアニストではない、また、貴子の気を引こうとしている事を示唆。)
◆理佐子が賢治に結婚式の前に借金を申し込んでいる事(これは何のために必要な借金だったのか?)
◆結婚式の夜に理佐子と一緒にラブホに入った金沢が後日、杖をついていた事。(これはその夜に、ラブホで何らかのトラブルがあった事を示唆。)
◆かおりと哲夫の息子・駿介がまだ部屋から出てきていない事。(来週放送の哲夫が入っていくというホテルに、引篭り息子・駿介が居て、駿介の部屋には理佐子が...という事も考えらなくもない。)
◆夜の町で、理佐子が、秀典に向かって吐いた「女なら誰でもこうなる可能性があるわ!」というセリフ(浮気をした妻達は、最終的に夫と別れなければならないという事を示唆。)
◆たまきが勝沼刑事(小日向文世)に息子について相談しようとしている事。(たまきと勝沼との新たな関係を示唆。)

今後、展開としてどうなっていくのか、はなはだ未知数ではあるが、僕には、最終回の最後のシーンとしては、貴子、真由子、たまき、ひとみの4人だけで楽しそうに街を歩いているというセックス&シティ的な映像が思い浮かぶ。
そして、おそらく、それはそれぞれ、秀典の浮気癖、賢治の束縛、哲夫の不甲斐なさ、雄一の世間体、から解放された(って事は離婚した)姿が最もよく似合うシーンでもある。

しかし、逆から見れば、それは4人の夫の解放でもある。そのあたりが今後の展開の鍵を握っているのかも。

まさむね

イノセントラブとスキャンダル勝負あった!?

Tuesday, November 11th, 2008

月9ドラマ「イノセントラブ」の展開があまりにも息苦しい。
堀北真希演じる佳音の”心情”にベッタリと寄り添わないと、とても見続けるのはつらい。
客観的に、彼女の行動を追っていくと、覗き、盗み聞き、不法侵入、出まかせの嘘、その場のごまかし等が満載で、奇行少女といった感じだ。
おそらく、殉也(北川悠仁)の絶対的心の広さ(何をやっても最終的に許す優しさ)があるから物語がかろうじて成立しているのではないか。

こういった純愛物は例えば、「恋空」なんかもそうだけど、映像にしちゃうとイメージが限定されすぎちゃって、感情移入しにくくなっちゃうんじゃないかな。
時代の流行っていう意味で、厳しいような気がする。
80年代の大映ドラマや90年代の野島ドラマ等の不幸物は、もう喜劇としてしか見られないからね。

一方、日曜劇場「スキャンダル」の華やかな展開は「イノセントラブ」の息苦しさと好対照だ。
第4話を終わった時点で、先が全く読めない。
今まで隠されていた過去、お互いの人間関係が、どのように、露呈していき、そして収束していくのか。
沢山いる個性的な登場人物達がそれぞれに、事件と過去に巻き込まれていく、その展開は、新しさを感じるよね。
今後、このドラマの感覚を模したドラマが多産される予感すらする。

さて、この「スキャンダル」は「セックス・アンド・ザ・シティ」の多大な、影響下にあると言われている。
だとするならば、「セックス・アンド・ザ・シティ」同様に、主役の4人のライフスタイルとか年齢とかを元にして、それぞれが着ている服のブランドやセリフの言い回しのコード(意味)が理解できればもっと楽しいんだと思う。
金持ちの奥さんってこういうブランド着るんだよなとか、役人の奥さんはこういう色好きだよねとか、年増OLってこういう言い方するよねとか、みたいな、いわゆる、あるある感覚を楽しむのも一つの楽しみ方だよね。
でも、僕にはそれを解読する知識は無いのが、残念。
唯一、前回、みんながたまき(桃井かおり)の家に泊まるシーンで、たまきがその場で用意した寝巻き用のTシャツが、ストーンズ、キッス、クラッシュ等のロック物だった事で、たまきの趣味と部屋の汚さの起源がわかる程度だ。

「イノセントラブ」の浅野妙子と「スキャンダル」の井上由美子。
浅野は「ラブジェネレーション」「神様、もう少しだけ」「大奥」「ラスト・フレンズ」、井上は、「ギフト」「GOOD LUCK!!」「14才の母」「ファーストキス」等を手がけている。

1961年生まれの現代を代表する二人の脚本家だが、今回の「イノセントラブ」と「スキャンダル」の勝負は見えた!というのは早計だろうか。

まさむね

 

「スキャンダル」とdocomoの思惑

Tuesday, October 28th, 2008

提供スポンサーの意向がドラマに残した痕跡を深読みするというのも、ドラマウォッチャーの楽しみの一つである。

今クールのドラマで言えば、TBSの日曜劇場「スキャンダル」はNTTdocomo提供番組だけあって、携帯電話が重要な場面で使われていて興味深い。

例えば、主人公の4人の女性が持っている携帯の使い方、色は、それぞれのキャラクタを具現化している。

バリバリのキャリアウーマンだが、一方で引き篭もりの子供を抱える悩み深い新藤たまき(桃井かおり)、携帯の色は闇を表す黒。家事をしながらストラップで首からさげた携帯をテブラモードにして仕事話をするシーンが、新しい女性のスタイルを示唆。
金銭に細かく世間体ばかり気にする財務官僚の夫からの支配にうんざりする河合ひとみ(長谷川京子)、携帯の色は夢を表すピンク。息の詰まる日常で唯一の楽しみは、“薔薇姫”の名前で妄想の生活を書き綴る携帯ブログのみ。
20歳年上の美容整形医の妻だが、夫の異常な嫉妬と束縛に耐えている鮫島真由子(吹石一恵)、携帯の色は派手さを表すデコ電。これはあくまで予想だが、夫が彼女の携帯を盗み見て騒動になる可能性大。
理想の主婦を演じながら、夫と娘からあまり相手にされない高柳貴子(鈴木京香)、携帯の色は貞操をあらわす白。2話の最後では夫の浮気場面という修羅場に遭遇するも、行方不明になった友人の白石理佐子(戸田菜穂)からの電話が...

来週からの新展開にも、重要な役割をはたしそうな携帯電話。今後も、目が離せない。

しかし、さらに深読みするならば、前回、貴子が行方不明になった理佐子(戸田菜穂)の旦那・久木田慶介(加藤虎ノ介)に貴子の旦那・高柳秀典(沢村一樹)が理佐子と付き合っていた事を知らされるのが、なんとKDDIが入っている泉ガーデンの目の前という設定に、ネガティブイメージポイントをライバル社の本社前に持ってく
るdocomoのスキャンダラスさなセンスを感じざるを得ない。

さらに言えば、この泉ガーデンは、かつて、あの永井荷風の屋敷があったところだ。
言うまでも無いが永井荷風は、耽美文学の巨匠であるが、スキャンダラスな猥褻裁判として争われた「四畳半襖の下張」の原作者としても有名ある。
そしてさらに荷風の先祖をたどっていくと、一族には、あの藤原道長に「浮かれ女」と称されたスキャンダラスな女流歌人・和泉式部、「伊勢物語」の主人公で、性的に放縦だった言われるスキャンダラスな美男、在原業平の名前も見える。

そんなこの土地を、このドラマ「スキャンダル」の重要なロケ地に選ぶとは、奥の深さはなかなかのものだ。

それじゃあ、次はソフトバンクがある汐留で何か不吉な事を起すか?でも、あそこは、日テレのお膝元だからなぁ。

最後に、新藤たまきの夫・哲夫(石原良純)が部屋を片付ける時に、最後まで黄色いタウンページが置いてあった。docomoではないが、NTTさすがしぶとい。

まさむね