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NON STYLEは吉本だからM-1に優勝したわけではない

Monday, December 22nd, 2008

今年のM-1グランプリはNON STYLEが優勝した。

実は、僕は決勝に残った3組の顔ぶれを見た瞬間にNON STYLEが優勝すると思った。
それは、僕が3組の実力を事前に知っていたからではない。

理由は簡単だ。NON STYLEが吉本興業の所属だから、そして、ツッコミの井上祐介が女好きのするキャラだからだ。ちなみにナイツはウッチャンナンチャンや狩野英孝と同じマセキ芸能社、オードリーは田辺エージェンシー系のケイダッシュ所属である。

ご存知の通り、M-1は、紳助の企画、吉本興業の主催である。
ただし、他の事務所のタレントも参加する事が出来る。
しかし、ここで毎回、吉本興業所属タレントが優勝するわけにはいかない。大会自体のリアリティを保持するためだ。

歴代優勝者を見てみよう。(大阪、東京などは省略)

第1回:中川家:吉本興業
第2回:ますだおかだ:松竹芸能
第3回:フットボールアワー:吉本興業
第4回:アンタッチャブル:人力舎
第5回:ブラックマヨネーズ:吉本興業
第6回:チュートリアル:吉本興業
第7回:サンドウィッチマン:フラットファイヴ

しかし、結果として吉本興業が圧倒的に強い。おそらく、彼らには実力もあるのだろう。

しかし、正直なところ、このM-1優勝者というは利権である。
これに優勝すると少なくとも向こう一年位の東京のバラエティの席がなんとなく確保されるからだ。

それゆえ、何回かに1回、このグランプリにリアリティを持たせるために、他事務所所属を優勝させるが、基本的には、その場所は吉本興業がキープする。
そう考えるのが当然の事だと思うのだ。
別に不正があるというか、そういう事をいいたいわけではないのでご理解ください。
例えば、プロレスにおいて、ベルトの価値を高めるために、たまに、ヒールにベルトが移動するのと同じことなのだ。

また、今回都合よく、NON STYLEが決勝に残った。今まで、確かに吉本興業のタレントが4組優勝しているが、その後、テレビで一番成功しているのは、チュートリアルである。
そして、その理由はただ、徳井のルックスにあると思われる。
M-1の時、あるいは漫才をするときの徳井の妄想キャラを封印したバラエティ時の徳井はむしろ、普通のキャラである。
しかし、重要なのは「芸」があることではなく、お茶の間に好かれる「顔」を持っていることなのだ。
そういう意味で、吉本興業の上層部が、NON STYLEの井上にお茶の間向け「顔」を見出すのはごく、自然のことだと思われるなのだ。

それゆえに、今年の優勝者は、吉本興業のNON STYLEというわけである。
ちなみに昨年、優勝したサンドイッチマンだが、残念ながら「顔」的には、売りが無い。しかし、今年一年のオートバックスの頻繁なるCMを見ていると、昨年優勝の背景には、イベントスポンサーのオートバックスからのなんらかのプッシュがあった可能性が感じられる。勿論、あくまで推測である。
     ◆
確かに、今日のNON STYLEは素晴らしかった。
紳助が言ったように、ナイツやオードリーに比べても抜群によかった。

そういう意味で、上記のような予定調和の予想に対して、それを予定調和と思わせない芸の実力が彼らにはあったと思う。

実は、吉本興業は同様の状況で、最近、失敗しているのだ。
TBSの「キングオブコント08」でバッファロー吾郎を無理矢理(?)優勝させて、逆に東京進出を失敗させているのである。
あの時は、決勝戦を、吉本興業の後輩達(ロバート等)に審査させるという酷なルールが問題になり、その不明瞭な結果に、逆に芸人が傷つくという結果になってしまったのだ。
そういう事件(?)を踏まえた今回、NON STYLEにとって、この本番は、いつも以上に凄いプレッシャーがあったと思う。

しかし、NON STYLEは見事にそれを跳ね返した。
見事の一言である。

今後、東京のテレビにおいて、彼らはどんどんチャンスが与えられていくだろうが、是非とも生き残っていってほしいものである。
     ◆
最後に最近の漫才は「笑い場」の頻度が異常に高くなっているのに改めて驚いた。
ボケが暴走し、それにツッコミを入れる間に、ツッコミを半分無視して、さらに暴走しているボケがすかさず、ボケるという展開。
正確には数えていないが、おそらく5秒に1回位の笑い場頻度なのではないか。
かつて、80年代のB&B、90年代のダウンタウンが出てきたとき、それぞれ、展開の速さに驚いたものだが、もしかして、それらを今見たら、物凄くスローモーに見えるかもしれない。

北野たけしや島田紳助達が漫才を封印してしまった理由がわかるような気がする。

まさむね