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思想犯としての「花」、その無邪気な罪

Tuesday, July 15th, 2008

2004年から2005年にかけての大ヒット、ORANGE RANGEの「花」。

この曲を主題歌にした映画「いま、会いにゆきます」も大ヒット。
主演の中村獅童と竹内結子との恋愛>結婚>出産。
この歌のイメージも手伝って、純愛カップルとして世間の祝福を受けるも、今年2月に離婚。

だから、今改めて、「いま、会いにゆきます」を見ると、中村獅童と竹内結子の演技が秀逸なだけに、なんだかとても残念だ。
「愛し合って ケンカして、色んな壁 二人で乗り越えて、生まれ変わっても あなたのそばで
花になろう」って言っていたんじゃないの?って突っ込みたくなってしまう。

まぁ、現実というのは常に残酷で不透明なものだから、言っても仕方ない事なんだけどね。

さて、この「花」であるが、よくよく聴いてみると、あまりにも主観的な歌詞である事に驚かされる。
相手の事を一方的に好きになって、思いつめるモノローグは引いてみるとかなり”痛い”。

二人の出逢いにもっと感謝しよう
あの日 あの時 あの場所のキセキはまた
新しい軌跡を生むだろう

何故キミに出逢えたんだろう
キミに出逢えたこと それは運命

君の喜び 君の痛み 君の全てよ
さぁ 咲き誇れ もっと もっと もっと

社会全体が、性的異常者の存在自体をネグレクトし、ストーキングに対して、どんどんと狭量になっている一方で、このような、”痛い”内面を支える大ヒットが何の後ろめたさも無く、次々に再生産されている現実。

しかし、何か性的な事件があると、美少女ゲームやエロサイトは槍玉に上がるが、”思想犯”としての「花」は追求されることはない。

まさむね