2006年に大ヒットした「純恋歌」(湘南乃風)は普通の人々の普通のラブソングである。
現在でもカラオケランキングで上位に来ているが、今後もJ-POPのスタンダードとして聴かれ、歌われ続けていくだろう。
歌は、独特のレゲエ調のリズム/メロディに乗って物語風に進む。
出会ってから、好きになって、付き合って、喧嘩して、仲直りして、そして、一生「お前」と手を繋ぎ、一生「お前」のために愛を歌う...
ここには、夜空に輝く星のように女性をあがめるロマンティストとしての男がいる。
好きになった女を守りたいと思う善良な男がいる。
時には自分勝手に怒鳴りまくる自分勝手な男がいる。
でも、すぐに反省する単純で素直な男がいる。
そしてそんな男を許す女がいる。
これは、バブルだとか、不況だとか、格差社会だとかいった時代の流れとは無関係な普通の男と女の関係である。
ここには、いさぎよくも、普遍的な若者達の幸福観が正面から歌われているのである。
目立たないけど、社会の多数を占める地道で普通の人々の気持ちを正面から汲み取った「純恋歌」。
彼らが「純恋歌」で通ったラブソングの王道は、最近では、照れ臭すぎて誰も通らなかったド真ん中の「空き道」だったのではないか。
最後に「純恋歌」のプチ疑問。
歌詞の中に出てくる「春の夜風に打たれ、思い出に殴られ、傷重ねて気付かされた大事なもの握りしめ」の握りしめられた大事なもの ってナンだったんだろうか?
まさむね