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誰か、小沢さんに「あれじゃダメですよ」と進言してほしい

Saturday, November 29th, 2008

麻生首相と小沢党首の党首論争は、最悪だった。
残念だった。
期待したこちらが悪かったのか。
僕は、不覚にも、今回の党首討論のお膳立てを整えた段階で、ついに小沢党首が本気を出すに違いないと微かな幻想をいだいてしまっていた。
でも、正直言って、僕の買いかぶりだったようだ。

はっきり言って、小沢党首は論争に全く向いていない。
とりあえず、党首討論をやったというアリバイ作りのために出てきたとしか思えなかった。

彼は、本当に麻生首相を追い込もうと思ってやってきたのだろうか。

小沢「経済対策優先と言いながら、何故、今国会で2次補正を出さないのか?」
麻生「それより、金融強化法を採決してくれ。それが先だ。」
小沢「2次補正を出さないのなら、解散しろ。」
麻生「政治的空白を作るから、解散しない。」
小沢「今までの経済優先という主張と矛盾するのではないか。」
麻生「矛盾しない。そちらこそ金融強化法を採決してくれ。」

簡単に言えば、こんなやりとりだった。凡庸だ。

実は、党首討論というのは、野党党首が首相を追い詰めるところではない。
その追い詰めてなくても、追い詰めたという印象を国民にわかりやすく「プレゼン」するところである。

小沢党首にはこの「見せる」という意識がまるで無い。
自分は言いたい事を主張したから、それでいいと思っているのではないか。
まるで知恵の無い話だ。

さらに問題なのは、、民主党は党として、戦略がなさすぎる事だ。
あるいは、あったとしても、誰も小沢党首に進言出来ない状態なんだろう。
これは不幸な事だ。

かつて小泉元首相は小沢党首の事を、あの人は、政略というものが分かっていないと言った。
どこを押せば、他人はどう動くのかというような人間というものの本性に対する洞察がないという事だ。
一般的に、小沢党首は、権謀術策の人と思われているが、他人の弱みに付込んでを追い込んでいくといった、本当の意味での政治的知恵の無い人なのだろう。

朴訥といってしまえば、悪く聞こえないが、ようするに場当たり的な人な人なのかもしれない。

僭越ながら言わせてもらえば、僕だったら、
「本来、党首討論というものは政治の大局を語るべきところという事は理解しておりますが、現在は、みぞゆうの、いや、失礼、未曾有の1度の危機ということなので、細かい話をさせていただきます」
と場の空気を変えてから、細かい点を次々に指摘し、麻生首相に謝らせまくる。
「首相は、老人医療に関して、病気の人の分を自分が払いたくないと言ったそうですが、その件に関してどう思われますか。」
「首相は、医者に対して、世間知らずの人が多いと言ったそうですが、その件に関してどう思われますか。」
「定額給付金に関して、配布を地方に任せると言われた事に関して、地方から批判があるが、それに関してどう思われますか。」
等など、他に、田母神氏の件、社保庁のデータ改ざんの件、さらに、中山元国交省の件、総裁選で名古屋だから大丈夫と言った件まで、ネチネチと、しかも、短くどんどんと持ち出して、その都度、謝罪させて、首相をイライラさせればよかったのだ。
僕だったら、とにかく蒸し返し作戦(だって、初めての党首討論なわけだから、それはそれで正当だろう)を採用して、スネイクになる。
そして、最後に民主党の経済対策案をプレゼンして、これと自民党案とで選挙をしようと言えばいいのだ。

恐らくテレビは、首相の謝罪シーンを編集して伝えるだろう。視聴者はそれを見て何を感じるのか?誰にでもわかるだろう。
そして何よりも、麻生首相に、党首討論をもうやりたくないと思わせる事ができる。
元々、小沢党首はやりたくないのだから、一石二鳥ではなかったのか。

少なくとも、小沢党首は、今回の討論が、大失敗だったという事を自覚し、民主党の他の面々はそのことを彼にわからせてほしい。
それからじゃないと何も変らない。麻生首相云々はそれからの話だ。

まさむね

民主党は小沢待受など配っている場合か

Wednesday, October 29th, 2008

ozawa.gif民主党は、小沢さんの携帯着せ替えツールとか配っている場合じゃないと思う。

僕はこの待受け画像を見て、最近、体調が思わしくない小沢さんに不幸があったのかと思ってしまった。

一方、麻生首相が定額減税、地方への緊急給付金、住宅ローン減税、金融機能強化法修正等を含む追加経済対策を今月末に発表するそうだ。
それに伴い、解散/総選挙に関しては、年内という線は無くなった(マスコミの報道なのでいつも通りアテにならかいかもしれないけど。)。
麻生首相の、「政局より政策」「景気対策第一」という錦の御旗の前では、与党も野党も、マスコミも説得力のある反論が出来ないでいるのが現状である。

これは、どんどん、麻生首相の思うがままの状況になってきているのではないだろうか。
しかし、彼は運がいい。
世界同時金融不況、日本では異常な円高、株安といういわゆる”麻生さんのせいではない”大津波が来てくれたのだ。
これを機に、元々、バラマキ大好き体質だった麻生さんの経済政策がほとんど批判される事が無く、支持される状況になってきている。
誰も先の事なんてわからないのだから、出来る限りの対応をしようって話になりやすいく、だから、畢竟、バラマキに対して文句が言いにくくなってしまうのだ。

しかも、その財源は、元々民主党が自身の政策の財源として主張していた埋蔵金だという。
政府・自民党はずっと否定してきた埋蔵金だが、いつの間にか、その存在を前提にして話が進んでいるのだ。
また、民主党からの要求で一般財源化したガソリン税も使うという。道路の話はどうなったのか?

そうなってくると、これらの麻生首相の政策が実現した後、現在の民主党があてにしている財源が既に無くなっている可能性もある。
万が一、来年の総選挙で民主党が政権を取ったとしても、その政策が実現出来ないような状況を作ってしまおうという事なのか。
これは、民主党に使われてしまうなら、それより前に使っちゃおうという意地悪にも見える。
さすが筑豊の川筋者の血を引く麻生首相。喧嘩は上手だ。

それにしても、解散権というのは何と強い権利なのだろう。
それは、例えば、100M走において、特定のランナーにスターターの権利が与えられているようなものだ。
相手の緊張感が切れてきたりして、最も、スタートしてほしくなく、自分にとってはベストのタイミングで、ピストルが撃てるのだから、これは、与党にとって圧倒的に有利な権利なのだ。

マスメディアは、このピストルを撃つタイミングに関して、今まで外しまくってきた。10月26日、11月2日、11月9日、11月30日と。
恐らく、このマスコミの体たらくは、彼らが、過去の解散例のからの類推という永田町的常識という目でしか、状況を見られなくなってきている事の証拠であろう。
しかし、小泉さんの郵政解散以降、その常識は既に無くなっているのにだ。

また、一方、情けないのが民主党だ。
携帯着せ替えツールも情けないが、麻生首相のバー通いをいつまでも批判してみたり、インドの首相との会合をキャンセルしたり、党首討論から逃げたり、新テロ特措法の審議に関する方針を変えたり、創価学会問題を取り下げたり、マルチ問題をひきづったり...
なんともやっている事がヌルい。

もし、民主党にここで起死回生が打てるとしたら、(勿論、民主党も準備をしていると思うけど)誰しもが納得出来るような、しかも、自民党には出来ないような経済対策案を、即急に提示する事である。
しかも先に発表してしまったマニュフェストとの整合性も取らなくてはならない。

ここは、いかに解散に追い込むかという駆け引き力ではなく、政策力が試される局面だ。

まさむね

タロウ対イチロー、楽しくなってきた。

Thursday, October 2nd, 2008

麻生総理の所信表明演説、それに対する小沢民主党代表の代表質問が行われた。

既に戦闘モードに入った感じで、与党側は、民主党に質問。それに応えて、民主党は逆に所信表明演説(民主党のマニュフェスト)を披露した。

改めて思うのは、政治ってプロレスに似ているという事。

彼らは、お互いに闘っているように見えて、実は国民に闘いを見せている。
彼らは、どちらが強いのかではなく、どちらが強く見えるのかを競っているのだ。
そういう意味で、政治はプロレスに似ているのである。
そして、そのどちらが強く見えたのかを国民が選ぶ機会が総選挙だ。

それではこのプロレスどちらが勝つのだろうか。

麻生さんは、自民党総裁選の演説で、小沢一郎に勝つことが自分の天命であると宣言した。
小沢さんは、麻生首相が誕生した時に、誰がなっても同じと言い放ち、格上だという存在感を見せた。
そして、今回の国会でのお互いの主張。
麻生さんは明らかに、小沢さんを国民の面前でガチンコで叩こうとして、仕切りに挑発を続ける。
一方、小沢さんは、正面衝突はかわして、、大物のイメージのまま国民の審判を仰ごうとしている。

しかし、ここに来て、アメリカの金融状況という要素も現れ、選挙の時期が流動的になってきた。
解散権を持つ麻生さんが精神的に有利な状況が生れてきたようにも思える。
これは、選挙をやるぞ、やるぞと見せかけて、相手を兵糧攻めにする可能性も出てきたということだ。
麻生さんの解散をしない理由は、「こんな大事なときに、国民生活を守らなくてどうする」という理論だ。(尤も、そのあたりは、選挙を早くやれという公明党や自民党内勢力との折り合いがつけばの話ではあるのだが…)

一方、国民生活が第一としてきた小沢さん、麻生さんの上記の理論を撃破できるのか?

筑豊の川筋者が見せる仁侠系打撃技と、東北の農民的粘り強い寝技という、西と東の日本文化戦争という様相を呈してきた。

今後、通をうならさせるプロレスとして展開していけるのだろうか。
楽しい見世物は続く。

まさむね

民主党は、都会向きの顔も作るべきだ

Tuesday, September 30th, 2008

民主党の政策があまりにも、地方重視である事を先日(28日)述べたが、確かに、そのマニュフェストは都市住民向けではない。

恐らく、都市民は、政治によって何かしてもらったという実体験があまりにも希薄だ。
何らかの利益配分を得たという実感が無いのだ。

前回の2005年の衆議院議員選挙(いわゆる郵政選挙)において、東京では自民党の圧勝であったが、これは、郵政民営化が都市民に支持されたわけではないだろう。
都市に住んでいると、郵便局が公社であろうと、株式会社であろうと、実はどうでもいいことである。

それよりも、エンターテイメントとして、選挙に動員されてしまい、結果として自民党に大勝を与えてしまったのだと思う。
私も、何の義理も無いのに、思わず無名の自民党新人候補(松本洋平君)に投票してしまったが、彼は当選後、一体何をしてくれたのだろう?
最近、彼のズーッと張りっぱなしの選挙ポスターが、どれも色あせてきているのが気になる。

恐らく、今回も都市民は、より”面白い”仕掛けをする方に投票するだろう。
よくも悪くも、それが都市民の現実だと思う。
テレビのニュース番組は盛んに問題は政策だと言っているが、都市民にとっては、それは建前だと思う。煎じ詰めて言えば、都市民にとっての選挙は、”面白さ”投票であるのだ。

民主党はそのあたり、党全体として理解しているのであろうか。
テレビCMで、小沢一郎のスライドショーが、東京でも流れているが、あれは、どう見ても、田舎向けのドブ板PRだ。
すぐに、東京では、CMは、都会用バージョンに差し替えるべきだと思う。

候補者に関しては3つ提案がある。これが実現出来れば、民主党は必ず勝てる。

一つは前々から言われているが小沢一郎が東京12区、公明党の太田さんの選挙区から、比例というすべり止め無しで打って出る事。選挙後の連立の可能性を考えて、などという思いっきりの悪い事を考えている場合ではない。
恐らく、民主党の東京用のCMは、その小沢の決意を表現するようなモノにすればいいのではないか。

さらに、蓮舫を東京一区の与謝野馨のところからでも立たせる。衆議院に鞍替えさせるのだ。
この人選がベストではないかもしれないが、女性に支持者の少ない民主党としては、いずれにしても都市の女性向けのサプライズが必要だと思う。

そして、もう一つは、小泉孝太郎を説得して民主党公認候補として、進次郎が出馬を表明した横須賀に立てる事。まぁこれは、無理かな?

まさむね

民主党公約には我慢しよう

Sunday, September 28th, 2008

総選挙を前にして民主党のマニフェストが徐々に明らかになって来ている。
目玉となる政策は以下だ。

高速道路の無料化
子ども手当創設
公立高校の授業料無料
農業者戸別所得補償
年金基礎部分への公費投入
揮発油税の暫定税率の廃止

少し考えればわかる事なのだが、これらの施策によって直接恩恵を受ける層というは、かなり限られている。

以下のような人(架空の設定)にとって、あまりに篤いのだ。

群馬県嬬恋村でキャベツ農業を営む田代慎太郎さん(55)。国民年金は今まで、一度も払っていない。
妻と2人の息子、長男の嫁、3人の孫の8人の大家族。
長男は、浩さん(30)、高卒。地元出身で運送会社の下請けで個人で、遠距離トラックの運転手をしている。
子宝に恵まれて、優香ちゃん(5)を先頭に、旬君(3)と彩夏ちゃん(1)の3人の子供がいる。
同居の次男の大樹さん(17)は、地元の公立農業高校生。暴走族に入っている。

逆に、以下のような人(架空の設定)にとっては、全くメリットがない。

中野区のワンルームマンションに住むIT関連会社の契約社員の工藤幸司さん(39)、大卒、青森県出身。
将来の不安もあって、律儀に国民年金は払い続けている。
彼女もいないし、勿論、結婚の予定もない。
自動車は必要ないので、免許すら持っていない。趣味はパソコン。

僕の周りには、明らかに上記の工藤さんに近いタイプが圧倒的だ。
しかし現在、30才代後半の男性の未婚率は30%を超えているし、都会での自家用車の所有率も段々減っているという。
民主党はこれらの層の存在自体を無視するつもりなのだろうか。黙って税金払ってればいい存在だと認識しているのだろうか。

もともと、民主党が掲げるリベラリズムは、いろんな価値観を持った人々が共生して生きていける社会の実現だったはずなのに、明らかにある種の生き方をする(極めて保守的な)人々を支持する政策群をどう解釈すればいいのか。
選挙に勝たなければならないという至上命題によって、その理念を封印してしまったのだろうか。

しかし、それでも僕は次回の選挙では、民主党を支持したい。
選挙によって、政権交代が行われ、官僚と政治家の癒着が一旦は切れるというところに可能性を感じるからだ。
民主党は、公務員の給与を20%カットするなど、霞ヶ関の予算の分配に大いにメスを入れることによって、財源の確保をするという。
もし政権を奪取したら、そのお手並み拝見だ。

予算組み替えで確保された財源の本来の民主党らしい使い道は、小沢一郎の次の世代に考えてもらえばいいというのが僕の考えだ。

まさむね