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プロレスとしての丸明

Sunday, June 29th, 2008

丸明の吉田社長の事が実は好きだ。

おとといの「謝罪に漂うものの哀れ」で思わず、あの謝罪会見をプロレス的なアナロジーで語ってしまったが、よく考えたら、あの社長が醸し出す匂いは昭和プロレスのヒールのそれと酷似していることに気付いた。

最初に報道された従業員との口論。社長は従業員達の前で偽装の指示を喧嘩腰で否定する。
吉田社長の鮮烈なデビューだ。

次は、ただ「申し訳ありませんでした」とだけ言って逃げたわずか40秒の記者会見。
やりたい事だけやって帰っていくヒールの姿だ。
我々の興味をしっかりと次に繋ぐ。

そして、例の記者会見。
前半は下を向いての欺瞞謝罪。
中盤は笑顔での饒舌。
最後は決着をつけないまま、場外逃亡。

この展開がまさしく「昭和プロレス」なのだ。
例えば、テリー・ファンクVSザ・シーク、G・馬場VSアブドーラ・ザ・ブッチャー、A・猪木VSタイガージェットシン。

この嫌な感じの不完全燃焼感、あるいは残尿感。
がっかりさせられると同時に、また見たくなる期待感。
そして、ヒールに対するなんとも言えない愛着感。

人間にとって最も楽しい見世物は他人の感情だが、この社長の判りやすい感情の露出は、我々を必要以上にワクワクさせる。

興味津々の生立ち、成り上がりの軌跡、欲望・業の深さ、抜き差しならない社内関係、謎の明るさ等、社長の存在は、我々に様々な妄想を喚起させるのだ。

だから、吉田社長を好きにならずにはいられない。

まさむね