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あの農水次官は何故、責任は無いと言ったの?

Sunday, October 5th, 2008

ちょっと前の話だが、事故米についてである。
最初、農水省の白須事務次官は「責任は一義的には食用に回した企業にある。立ち入り調査は不十分だったが、農水省に責任があるとは考えていない」と発言した。
ところが、その後、農水省に対する批判の声が湧き上がり、結局、謝罪、更迭に追い込まれた。

しかし、僕が気になったのは、この事務次官が何故、農水省に責任が無いと断言したのかということだ。
この発言の後、元々、官僚は責任感も、倫理観も無く、自己保身に走ったのだろうみたいな言い方、あるいは、最近の官僚は劣化していて、「こう言ったら、どうなる」みたいな見通しも出来なくなった、ようするに官僚馬鹿論的な言説が支配的になっていった。
しかし、本当に、彼らは無責任で馬鹿なのだろうか。

当たり前の事だが、官僚は法律に従って動いている。MA米に関して、その流通に関して、どういった法律の下に動いているのか、僕は知らないが、恐らく、食用に出来ない米に関しては、業者との間に、「食用に転用しない」趣旨を明記した契約をして取引をしているんだと思う。
一応、本当に食用に転用しないように調査に入るという契約項目もあったのかもしれない。

だとしたら(上記の契約云々っては僕の想像なので全く違った事情があったのかもしれないけど)、三笠フーズに結果として騙された農水省が悪かったというのは、どこかアンフェアな気がするのだ。無能力だったという批判はありえるとは思うけどね。
農水省は騙されて気の毒だという意見が、例は悪いかもしれないけど、オレオレ詐欺にひっかかった老婆が気の毒だ、というのと同じように全く聞かれなかったのは、僕は意外だった。

あるいは逆に農水省の役人が彼らを縛る法律を超えて、一次流通から、ブローカーを経てメーカー、販売店を調査して膨大な人的資源を使っていたとしたらどうなのだろうか。おそらく、そんな事をしていたら、農水省はパンクしてしまうだろう。
それより何も、こういった職務外の仕事を勝手にする事自体の方が問題だろう。

実は、僕たちは、官僚に関して、彼らが何を考えているのか、あまりにも知らないのではないか。
たまに、官僚OBという人々がテレビに出てきて、いろいろと批判はしているが、それは、無駄が多いとか、天下りはひどいといった紋切型の言葉だけしか聞かれない。

白洲事務次官は、何故、農水省に責任は無いと言ったのか、本当の事を今からでも聞きたい。

まさむね