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今日の「久米宏のTVってヤツは!?」の印象雑感

Thursday, November 27th, 2008

本日の「久米宏のTVってヤツは!?」は、三浦展氏の「女はなぜキャバクラ嬢になりたいのか?」(光文社新書)を踏まえたキャバクラ特集だった。

この三浦展氏って一連の下流ブームの仕掛け人。僕も下流三部作は面白く読ませてもらった。
この下流という言葉、最初はマスコミ的にも、僕らが日常使う言葉としてもちょっと刺激的にすぎるかなと思っていたんだけど、この人の著書のおかげで、世間に認知された感はあるよね。
そう意味で、新しいリアリティを創造できた人の一人だと思う。

でも、最近、ちょっと多作すぎて、内容が薄くなってきているような気もする。
特に「下流大学は日本を滅ぼす!」とか。まぁ、本エントリでは三浦展論は、本題ではないので、改めて書評することにする。

さて、番組に戻る。
気付いた点は2つ。

一つ目は、杉田かおるさんて意外に視野が広く、しかも常識的だって事。

杉田さんは、女の子が何故、キャバクラ嬢になりたいのかという番組構成上の大きな問いかけに対して、「バブルが崩壊して、普通の人が地道に生きていっても幸せになれるとは限らなくなったという時代背景」を説明し、さらに、昔(自分が子役の頃)は、「このままだと君は、銀座のホステスになっちゃうよ」って共演者(例えば石立鉄男さん)に言われたっていう経験を踏まえて、水商売というものが、昔は「なりたい商売」ではなく「なってしまう商売」だったのが、現在は「なりたい商売」になっている、この価値の転倒はどうしたものかという問題まで提起していた。

ちなみに、一方では、進行役の八木亜希子アナは、一方、女子アナっていう職業が、昔は憧れの職業だったのに、今はキャバクラより下なのかという事を嘆く作法だけを繰り返し見せて、ただ、嫌味な印象だけを振り撒いていた。
もう一人、チョイ悪風のCM業界者が出ていたが、残念ながら番組内では存在意味無し。俺はクライアントには媚びないって胸を張っておきながら、年末年始にはみんなで、テレビを見ましょうって言ってた。

さて、そうなのだ。杉田さんが言うように、この日本では従来の価値観がいつのまにか転倒してしまっているのだ。

そのうち、キャバクラの専門学校が出来るかもしれない。
また、花嫁修業のためにキャバクラで働くような時代が来るかもしれない。
接客のための知識の習得、美への研鑽、周囲への目配り力の強化、しっかりした経済観念の育成、っていう具合に、花嫁としてのリアルスキルを、生け花教室よりも学ぶことが多いのかもしれないのだ。

もう一つは、経済評論家の森永卓郎さんの指摘がうやむやになってしまった点。

男は何故、キャバクラに行くのか。10,000円/1時間だったら、普通の女の子を誘って飯を食いに行った方が、安上がりではないのか。エッチなサービスは無いと言いながら、アフターとかあるんでしょ..と森永さんは聞く。

そこで、スタジオのキャバクラ嬢たちは、そんな事は無い的な素振りをしていたが、はっきりは言っていなかった。でっ、残念ながら、久米氏はそこでCMに行ってしまったのだ。

どんな職業にでもいい面と悪い面がある。
キャバクラ嬢になる事のリスク、嫌な点は、ただ、年齢を重ねると出来なくなるって事だけなのだろうか。
ある種の人々には野暮な質問かもしれないが、そのあたりは番組として、明確に示すべき一線ではないのかと思われた。

ちなみに、僕は、何度か仕事でキャバクラには行ったが、そんなに面白いところではなかった。

まさむね