Posts Tagged ‘チベット’

中国批判はいいけど、痛いのも嫌だ

Sunday, April 20th, 2008

中国共産党によるチベット弾圧は本当に腹立たしいが、心の中で99%そう思っていても、残りの1%で、そういう考えを持ってしまう自分への内省は忘れたくないものだ。
俺にとってそれは3つある。

一つは、我々・日本人も歴史をさかのぼるとアイヌ民族、朝鮮民族、台湾民族等に同様の事をしてきたという事は、覚えておきたい。日本人(和人)と同様の価値観を相手に押し付け、彼らの文化を否定してきたことは痛恨の歴史である。

もう一つは、実は、最近の中国の経済勃興、軍事力増大に対する警戒心、嫌悪感が、チベット解放を叫ぶ時の、真のモチベーションになってはいまいかということ。こういう心性は「痛い」からね。

今回の暴動のきっかけとなったは、チベットが急速な近代化へNOを突きつけたという一面もある。ということは、世界市場でグローバライゼイションの一翼を担う日本も、チベット人に対して抑圧する側にまわっているのではないかということだ。こういうことに無自覚なのも相当痛いよね。

まさむね

中国人は真実を語れないのか

Saturday, April 19th, 2008

オリンピックの聖火に対する各国での妨害のニュースが連日流されている。
中国共産党のチベット人への弾圧に関しての真実が、中国国内で報道されていないために中国人はその横暴に気づいていないのだという視点もあるようだがどうだろうか。

TVのインタビューでは、横浜中華街の店員、サンフランシスコのチャイナタウンに住む中国人も口を揃えて「チベットの状況は正しく報道されていない。一部の暴徒が起こした騒ぎだから無視すればいい」などと言っているの見るにつけ、いくら情報があっても、自分にとって都合のよいものばかり受容していては真実は見えない。いわゆるバカの壁(養老猛)にはばまれているんだろうか。

また、別の見方をすれば、中国国内の親族に迷惑がかからないように共産党の公式見解をなぞっているのかもしれない。

いずれにしても、この問題はしばらく時間がかかりそうだ。

まさむね

チベットはもともと独立国だ

Tuesday, April 15th, 2008

チベット問題を云々するのは中国への内政干渉なのだろうか。
中国の主張によると元の時代からチベットは中国(シナ)の領土とのことだが、その「元」だって、モンゴルの征服王朝じゃなかったの?
その後、チベットはシナ(元、明、清)に対して、独立といえば、独立、冊封体制下と言えば、冊封体制下、領土内と言えば、領土内という曖昧な状態をダラダラ繰り返したんだよね。
例えば、明時代に発表された「大明一統志」によるとチベットは完全に明とは別(平凡社の「世界歴史辞典」より)とされている。
でも、そんな状況の中、シナの王朝は、権力の源泉である「徳」をチベットの聖人からの承認で得るという精神的な結びつきがあった。ようするに相互信頼と尊敬があったんだと思う。

以下、「チベット」多田等観(岩波新書)からの引用です。


ツァムカパは国の内外より厚く敬仰せられ、明の太帝はたびたび使を派して来朝を請うたが、辞して赴かず、弟子のジャムチェンチュウゼを代理としてシナに派遣した。太帝と仁帝はラマ教に深く帰依し、西蔵大蔵経カンギュール部の上梓を行わしめた。世に永楽版大蔵経と称しているのはこれである。

五世ラマは1652年清朝に迎えられて、北京城に入り、国師としての禮遇を受けた。この時、北京に西黄寺を建立し、世祖から西天大善自在仏という尊称を贈られた。

パンチェンラマ・パルテンエシェは乾隆帝70歳の賀宴に招かれて、北京を訪問した。乾隆帝はこれに先立って熱河に避暑山荘と名づける離宮を造営し、壮大な八大ラマ廟を建立して大いにラマ教に庇護を加えた。
~(後略)

現状、中国政府はダライラマ14世を罪人として扱っているが、そこをまず改めないと問題は解決しないんじゃないの?

まさむね