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高級時計のある世界

Monday, October 6th, 2008

pige.gifちょっと前に終了してしまった「クリームなんとか」というお笑いのバラエティ番組の最終回、売れっ子の芸人(有田鉄平、河本準一、ナベアツ達)が自分が身に付けている服や時計や財布等を鑑定してもらうというコーナーがあった。

驚いたのは、彼らが一様に、100万円、200万円もする高級ブランド時計を持っていたということだ。
今まで、高級時計趣味の世界を全く知らなかった僕にとって、お笑い芸人の全員が高級ブランド時計を持っているのを見た時、それはカルチャーショックに近い衝撃だったよね。

さて、人は何故、ブランド時計に惹き付けられるのだろうか。
恐らく、所有物はその人のステータスを表現している。その事は同時に、ステータスの高い世界の住人へのパスポートを手に入れることでもあるんだろう。
芸人達は、高級時計をする事によって、その高級時計の価値がわかる世界に入ったっていう実感を得てるんじゃないかな。
逆に言えば、200万円の時計は、庶民レベルの世界では、ある意味、全く、無価値だからね。

でも、高級時計を持つメンタリティをもう少し分析すると、もっと深いものがあるのかもしれない。
そこには、世界最高級の職人技への尊敬の念が込められているんだと思う。
また、それぞれのメーカーには愛好者の連綿たる歴史があって、その歴史物語に対する愛着もあるんじゃないかな。
例えば、ロンジンは、島津忠義が西郷隆盛に贈った懐中金時計のメーカーであるとか、パネライは、藤原紀香と陣内智則の結納を交わした際、藤原紀香が結納返しとしてこの特注時計を贈ったとか、パテックフィリップの愛好者には、ヴィクトリア女王、ワグナー、トルストイがいたとかね。(高級腕時計ブランドガイドのHPより)

時計趣味っていうのは、恐らく、こういった歴史的、精神的、あるいは物語的な背景も含めて多層的に時計に惹かれるってことかもしれないよね。

だから、それは持ち主にとっては、凄く大事な物なんだろうな。

そういえば、あの三島由紀夫は、その最期、割腹自殺をするために自衛隊に向かった時、いつも左腕にしていた世界三大高級時計メーカーの一つのスイス製のオーデマ・ピゲ(写真)ではなく、敢えて、実用的で安価な時計をしていったという。
自分の最期の集大成の時間を、オーデマ・ピゲでは刻みたくなかったのかな?その真意は永久に謎だよね。

まさむね