丁子紋 -南洋に対する想いを表した紋-

丁子とは、モルッカ諸島原産の常緑樹。
その蕾を干したものは、香料、薬として珍重されたという。
一般的には、この薬を珍重した藤原系の家(押公路、前田、甲藤など)が使用したといわれているが、もしかしたら、南洋からの移民が先祖を忘れないために紋にしたのかもしれない。

だから、この紋の使用家は、九州全般、特に鹿児島県(16位)に多い。
また、その他では、富山県(19位)に多い。おそらく薬の名産地(富山の薬売り)と関係があるのではないだろうか。

使用する有名人は以下。

木村貞行。1658年 – 1703年3月20日、赤穂浪士47士の1人。
赤穂浅野家家臣木村惣兵衛の子として赤穂で生まれる。
赤穂藩では馬廻り役・絵図奉行150石。譜代。通称は岡右衛門。
主君浅野内匠頭と同じ江戸の高輪泉岳寺に葬られた。
家紋は丸に違い丁字。


海音寺潮五郎。1901年11月5日 – 1977年12月1日、小説家。
鹿児島県伊佐郡大口村生まれ。本名は末富 東作。
第3回直木賞受賞。史伝文学の復興に対する功績があった。
代表作は『西郷隆盛』『天と地と』『海と風と虹と』『悪人列伝』等。
家紋は五つ丁子。写真は、和田堀廟所の墓石。


富永一朗。1925年4月25日 – 、漫画家。
京都府京都市生まれ。大分県佐伯市育ち。
1976年より1994年まで放送された長寿番組『お笑いマンガ道場』に出演。
代表作は『チンコロ姐ちゃん』『ポンコツおやじ』など。
岡山県川上郡川上町の名誉町民も務める。家紋は左二つ丁子巴。


増位山太志郎。1948年9月16日 – 、大相撲の力士。
大関増位山大志郎の長男として東京の三保ヶ関部屋で生まれる。
本名は澤田昇。最高位は大関。現年寄・三保ヶ関
歌手として「そんな女のひとりごと」「そんな夕子にほれました」等のヒット曲がある。
家紋は三保ヶ関部屋の玄関にある隅切り角に違い丁子。

まさむね



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