ミクロの悪意、いまだ発見されず。

僕の現在の仕事は、ある政府機関でプログラマ達に仕様書を書くということです。
顧客も省庁関係で、そこの経理システムの仕様を作っています。
で、そういった経理システムだから、仕様書の中には、資産とか損益とか借方とか伝票とかいう言葉がすごくよく出てくるんですね。
そこで、僕は一つ、本当にささやかなたくらみを考えたわけです。それは、その仕様書の「伝票」という言葉をこっそりと「伝栗」に変えておくというものです。勿論、何百個のうち、2,3個なんだけど、それの「伝栗」はひっそりと仕様書の中に埋もれているのです。これぞ、知る人は知る恐怖の「伝栗計画」。でも、いまだに誰にもばれていません。
僕がこの会社にいるのは、3月までなんだけど、それからもその仕様書はここの資料として残りつづけます。そして、いつの日にか、誰かが偶然にそれを発見して、その誤植に、ささやかなでもとてつもなく不気味な感じがして、ブルってなるような時を夢見ています。

まさむね

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