実は、自転車の話。後日談がある。
登場人物の中で唯一まともっぽかった秋定さん(娘さんの方)が、最後の電話で、どうしても住所を教えてくれと繰り返した。何でかって言えば、ウチが送ったお礼のタオルの包装紙を無くしてしまったからという事らしい。僕は最初、ちょっと抵抗があって、「いや、そんな、とんでもない」というような何に向かって言っているのかわからないような事を言って、ごまかそうとしたが、もう一度、どうしても教えて欲しいっていう。そして、教えた。で、それからかれこれ、1週間何の連絡も無い。
あの僕の住所に対するこだわりは何だったんだろうか。また、新たな不思議と不気味が残った。
まさむね。