日本の美意識の基本概念にワビ&サビというのがある。
ワビは、「ツイてねぇなぁ」という不遇の境地を、サビは「一人ぼっちだなぁ」という感覚を、それぞれ、美意識としてに昇華させた概念なんですね。
見渡せば花も紅葉もなかりけれ裏の蓬屋の秋の夕暮れ (藤原定家)
これは、そのワビサビの境地とも言える歌ですよね。
桜とか紅葉とかいった和歌の題材になるようなものが何にも無い状態だからこそ、しみじみとした情感を感じるってことですからね。日本の美意識の最高峰だと俺は思うね。
このワビサビの境地は、ご存知の通り、千利休の手によって茶道として完成するんだけど、そんな利休の名言。
「侘びたるは良し、詫ばしたるは悪し」
街を歩いていても、確かに、見捨てられたもの、さびしいものほど面白いことがある。逆にこれはこういう意図(深層=真相)があって、こう楽しんでくださいと押し付けてくるテーマパーク的なオブジェは往々にしてうるさい気がする。
詫びて寂びたオブジェが、こちらが勝手に深読み、深感動、勘違い、邪推によって、一気にヒーローになる瞬間がいいんだよね。
俺は、この一瞬の感動の儚さを楽しみたいよね。
まさむね