団扇紋 -悪鬼を払い、霊威を呼び寄せる神具-

団扇紋にはいくつか種類がある。

1)普通の団扇(うちわ)紋
2)大相撲の行司が持つのと同じ、軍配扇紋
3)天狗が持つという羽団扇紋

この中で数が多いのが軍配扇紋。
平安時代の武士勃興時代に関東で幅を利かせた児玉党武士団が使用しはじめたといわれる。
多くの家紋の中でも歴史が古い部類に入る。
軍配の采配一つによって、自らの武士団の運命が左右される重要な道具だ。
と同時に、古くから悪鬼を払い、霊威を呼び寄せるという意味合いで、神事などにも用いられてきたのである。

羽団扇紋(左画像)は、駿河の浅間神社の神紋として知られている。
浅間神社は木花咲耶姫命を奉っているが、富士山信仰と深い結びつきがある。

団扇紋を使用はそれほど多くない。全国分布では、福井県で27位、埼玉県で28位。

有名人は以下。

奥平信昌。戦国時代から江戸時代にかけての武将。
三河国作手の有力国人・奥平貞能の長男として生まれる。
徳川家康の長女・亀姫を正室としたので、家康の娘婿として重用されるようになる。
長篠の合戦時に、長篠城で篭城し武田軍を苦しめる武功を上げ、信長より信昌という名前を賜る。奥平家は、豊前国中津藩幕末をむかえる。


鞍馬天狗。幕末期の勤王志士。
大佛次郎の大正・昭和期における時代小説の主人公。
幕末期を舞台にし、剣は一刀流の凄腕。時には短筒も使う。その素性は謎が多く、天狗党の生き残りではないかと言われたこともあるが定かではない。
何度も映画化され、特にアラカンこと嵐寛寿郎(写真)が主役の映画作品は有名。


児玉源太郎。1852年4月14日 – 1906年7月23日、武士、陸軍軍人。
周防国都濃郡徳山村に、徳山藩の中級武士(百石)兒玉半九郎の長男として生まれる。
日露戦争全体の戦略の立案を担当。英雄として有名。
太陽にほえろ!」等のテレビ映画監督で有名な児玉進は曾孫。
家紋は、唐団扇笹。多磨霊園で撮影。


加藤高明。1860年1月25日 – 1926年1月28日、外交官、政治家。
第24代内閣総理大臣。正二位 大勲位 伯爵。
尾張藩の下級藩士・服部重文、久子の次男として生まれた。
首相在任中に、治安維持法、普通選挙法を成立させ、日ソ基本条約を締結しソ連と国交を樹立する。東京日日新聞(後の毎日新聞)社長も務めている。家紋は六つ唐団扇。


福田康夫。1936年7月16日 – 、内閣総理大臣(第91代)
東京府東京市世田谷区に大蔵官僚・福田赳夫、三枝の長男として生まれる。
『低炭素社会』を目指す「福田ビジョン」を提唱した。
2008年9月1日、記者会見で「内閣総理大臣・自由民主党総裁を辞職する」ことを表明。
あなたと違うんです」という名セリフを残した。

まさむね



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