今日、面白い爺さんにあった。
その家系には、家訓があって、それが「犬を飼ってはいけない。」というものだそうだ。
なんでも、遠い先祖、おそらく戦国時代に土佐で城主をしていたそのご先祖が隣の城の城主に土佐犬を欲しいと言われ、断ったせいで、その城が攻め込まれ、一家ほとんど死滅したという。
ところが、不幸中の幸いに、その一家に、乳飲み子がいて、その子が乳母の家にいたため、かろうじて生き延び、乳母の家の姓を苗字として、今日にいたったのだという。
その爺さんの言うことには、ある親戚が、「そんなの迷信だ。」と言わんばかりに犬を飼ったら、早死にしたそうだ。
今度、その爺さんの家に捨て犬しようと、僕は心の中でつぶやいた。
まさむね