モーニング娘。の奇跡

「ハロモニ@」の放送が終了した。
最近、他の番組でモーニング娘。を見る機会が激減していたので、この番組の終了はまことに残念だ。
この番組の視聴率が0.1%になった、みたいな、つらい情報がしばしば流れていたので、いつかはこうなる日が来るかもと思っていたが、その時はあっさりと訪れてしまった。

くしくも、そのハロモニ@の最終回が放映された週にモーニング娘。の最新シングル「ペッパー警部」が発売された。
本日のオリコンウィークリーでは3位、売上げ枚数は、発売枚数は1週目で38,596枚だ。

この数字は高いのか、低いのか。

一般大衆的な感覚では、はっきり言って、モーニング娘。は過去のグループである。
しかし、業界全体として、CDの発売枚数が激減している中でこの数字は決して悪くない。
いや、逆に言えば、モーニング娘。は凄い。あるいは極論すれば奇跡ではないのか。

下記の通り、CD発売1週間での発売枚数(生涯売上枚数ではない)は、ここ4年位、若干の上下はあっても、それほど変っていないのである。

2008/09/24 ペッパー警部 38,596枚 3位
2008/04/16 リゾナント ブルー 48,086枚 3位
2007/11/21 みかん 28,082枚 6位
2007/07/25 女に 幸あれ 43,364枚 2位
2007/04/25 悲しみトワイライト 53,551枚 2位
2007/02/14 笑顔YESヌード 40,884枚 4位
2006/11/08 歩いてる 40,967枚 1位
2006/06/21 Ambitious! 37,065枚 4位
2006/03/15 SEXY BOY 36,531枚 4位
2005/11/09 直感2 43,535枚 4位
2005/01/19 THE マンパワー!!! 51,421枚 4位
2004/11/03 涙が止まらない放課後 50,967枚 4位
2004/05/12 浪漫 36,531枚 4位
(オリコンのHPによる)

世間の視線からモーニング娘。が”消えて”しまった中、上記の数字は、このグループのファンの忠誠心の異常な高さを示していると思う。

もともと、モーニング娘。はASAYANというオーディション番組から出てきたユニットである。1997年につんく♂が開催したオーディションに落選したメンバー(中澤裕子.石黒彩.飯田圭織.安倍なつみ.福田明日香)が敗者復活を期して結成されたグループである。
それゆえ、彼女達の初期のウリはハングリー精神だったのだ。だらか、彼女達のパッケージ写真の流れを見ていくと、「サマーナイトタウン」「抱いてHOLD ON ME」から、メジャースターダムの地位を確立した「LOVEマシーン」まで、決して笑っていない。
逆にこちらに対して挑戦的な視線を向けているではないか。特に安倍なつみのギラギラした態度は、初期のモーニング娘。を象徴している。

さて、このグループをささえるファンたちは、伝統的なアイドルオタク達がアイドル史の流れでファンになったというよりも、いわゆるアイドルヴァージンの男達がモーニング娘。登場の衝撃によって、オタク心を喚起され、ファンになったと言われている。
すなわち、「最初がモーニング娘。」っていうファンが多いんですね。
それが、彼らの忠誠心の高さの原因とされる事が多い。

と同時に、ある社会学者の調査によると、モーニング娘。のファンには地方公務員が多いというが、彼らの職業倫理がファン倫理に横滑りしているのだ。それが、彼らの忠誠心の強さの一因になっているのかもしれない。
ファンクラブの退会理由の一番が「一身上の都合」であるという伝説があるが、モーニング娘。のファン層を考えると、むべなるかな、って感じなのである。

もし、今後、モーニング娘。の人気が下降する日が来るとすれば、地方改革、金融不況の果てに、地方公務員のリストラあるいは、その財布を脅かす状況が進行した時であろう。

いや、そんな時が来ても彼らは忠誠心を持ち続けるのかもしれないし、持ち続けてほしい。

まさむね

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